「もう疲れすぎて家事なんてイヤ」「料理がめんどくさすぎて死にそう」──そんな悩める人たちにおすすめなのが「はじめて楽しく料理ができた!」「感動した!」「もう献立に迷わない!」と絶賛されている『厨房から台所へ』と志麻さん初の著書『志麻さんのプレミアムな作りおき』だ。特に『厨房から台所へ』は新聞書評で東大教授が絶賛。志麻さんの手にかかると、冷蔵庫にある食材が、ふだん食べられないプロのレシピに大変身。まさに魔法使いだ。これさえ覚えておけば、平日多忙なお父さんお母さんも、尊敬の眼差しを浴びるかもしれない。3時間で15品以上作るという志麻さん。今回は「涙が止まらなかった」と話題の『厨房から台所へ』の中から、とっておきレシピ「オニオングラタンスープ(オニグラ)」のコツを紹介しよう。(構成:寺田庸二、レシピ撮影:三木麻奈、著者撮影:難波雄史 初出:2019年9月8日付け記事を一部修正し掲載)

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寒い日にたまらない一品

 日本もまだまだ寒い日が続きますが、フランスの冬は本当に寒いです。

 日照時間も少ないうえに、石畳が氷のように冷たく底冷えします。

 そんな凍てつく寒い日に飲みたくなるのが、「オニオングラタンスープ(オニグラ)」です。

 じっくり茶色くなるまで炒めたタマネギは、水分とともに辛み成分が揮発し、甘みが凝縮され、炒めることでさらに香ばしい香りや風味が増します。

 そんなうまみたっぷりの上にはとろとろ、熱々のチーズが、バゲットにのって浮かんでいます。

 やけどしそうになりながら、フーフー息を吹きかけて、全部食べ終わる頃には汗をかいてしまうほど。

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 このオニオングラタンスープは、長く寒いフランスの夜食や、一晩中続いたパーティの後の明け方に食べたりします。

 もちろん、ランチにカフェで食べたりもしますが、冷え切った体を温めるために食べるイメージです。

ポイントは塩を「ひと振り」

 作り方は簡単。ただ、時間は若干かかります。
 じっくりじっくり根気強く、玉ねぎを炒めなくてはいけません。

 タマネギの甘さが十分に出てカラメル化してくると、徐々に色がついてきて、鍋底に色がつくぐらいになってきます。

 そこまで色づいたら、水分とうまみ(コンソメ)を加え、煮込みます。

 このじっくり炒める作業はめんどくさいと思われがちですが、電子レンジを使えば炒める時間を短縮することができます。

 ポイントは、塩をひと振りすることです。

 こうすると、塩の脱水作用で水分が早くぬけ、同時に玉ねぎのうまみも引き出してくれます

 この炒め玉ねぎは、時間のあるときにたくさん作っておいて保存容器に入れておくと、ちょっとした煮込み料理に入れてうまみをプラスし、パンにぬってアンチョビとオリーブをのせてトーストすれば、「ピサラディエール」という南仏のお料理にもなります。

 まだまだ寒い日が続いていますが、本書『厨房から台所へ』を活用しながら、ぜひ「オニオングラタンスープ」を作って家族みんなで温まっていただけたらと思います。