インフレほどトランプ氏の米大統領返り咲きに貢献したものはない。米国民がバイデン前政権下の経済に不満を募らせる一因だったためだ。インフレは今やトランプ大統領にとっても頭痛の種となっている。同氏と共和党が関税引き上げと減税という目玉政策を打ち出そうとする中、米国のインフレの根強さが明らかになった。関税のインフレ押し上げ効果は全体として小幅にとどまる見通しで、減税の影響はそれ以上に小さい(歳出削減で相殺すればなおさらそうだ)。問題は、トランプ氏が引き継いだインフレが米連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%を上回っていることだ。同氏の政策はインフレを高止まりさせかねず、利下げを一段と難しくしている。
トランプ氏当選に貢献のインフレ、今は課題に
現政権は根強いインフレの責任をバイデン氏に押しつけているが、トランプ氏自身の政策がインフレ克服を一層困難にしている
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