「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

【1800万円の40%増はいくら?】2秒で答えられない人は永遠に“二流”。一流はどう考える?Photo: Adobe Stock

「%」の計算、一瞬でできますか?

問題:1800万円の40%増。いくら?

みなさんは今まで、どう計算してきましたか? ビジネスだとこのような計算をする場面は多いと思います。

おそらく、すぐに電卓かスマホを出しているでしょう。

しかし残念ながらその計算方法では、一流とは言えません。会議の途中で電卓を叩いて答えている人よりも、パッとその場で答えている人のほうが優秀に見えますよね。

こういった職場にいる「数字に強い人」は、暗算や計算をいきなり始めることはありません。計算前に、まず数字を「扱いやすく」変えて、てなずけています。

今回は、「数字がこわい」がなくなる方法の1つ、「ケタ後回し計算法」をやってみましょう。

頭とケタを別に計算しよう

こういった「%」の計算でよく間違えやすいのは、「ケタ」です。

そこで、今回紹介するのが、ケタのだいたいのアタリをつけてから計算する方法です。

まずは、ケタは置いておいて、とりあえず答えの頭の数字がいくつになるか考えてみましょう。

18×4=72

つまり、答えの頭の数は絶対に72になるわけです。72か、720か、7200か。ということですね。

ここで、今回求めたい「40%」の意味を考えてみましょう。40%は半分(50%)よりも小さいですね。

つまり、1800の半分である900より小さいわけです。

そうすると、答えはすでに上で出ていますね。72でも、7200でもありません。「720」です。

いかがでしょうか。普通にかけ算をするとケタを間違えるなど計算ミスをしてしまいそうですが、こんな解釈をするだけで、計算が非常に速く、正確になりました。

これは計算を機械的にやらず、「40%は、50%よりも小さい」という意味でとらえているので、ケタ間違いが起きなくなったのです。ケタをずらして、整えるだけ。計算の精度が一気に上がりますね。

数字に強い人は、計算する前に「一歩立ち止まる」

このように、数字に強い人は、面倒なケタの計算などはできるだけ避けるようにしています。ケタと頭を同時に頭の中で計算しようとすると、こんがらがってしまいますから。

「数字に弱い人」はこういった複雑なかけ算に出会った時に、そのまま意味を考えずに計算してしまいます。だから計算ミスやケタの間違いをしてしまって、数字に強くなることもできません。

しかし、数字に強い人は「数字を扱う前に、まず一歩立ち止まる」ことができる人です。ここで紹介した方法以外にもいろいろな方法がありますので、試してみるとよいでしょう。

(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』に関する書き下ろし原稿です)