「この人、ちょっと危ないかも…」→問題社員を見つけたら即チェックすべき「職場を壊すサイン」とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

職場における“未解決問題”の一つになりやすい「採ってはいけない人」。そんな人材を採ってしまったらどうするべきか……。連載第3回は、マネージャー層や人事部が行うべき対応を解説する。(人材研究所ディレクター 安藤 健、構成/ライター 奥田由意)

コミュニティクラッシャーを見つけたら 
現場はどうすればよいか

 前回お話ししたとおり職場に新しい仲間を迎える際には、スキルレベルが合わない人ではなく、「組織の信頼関係とコミュニケーションを損なう人」を採らないよう見極めることが最も重要です。職場は従業員同士の信頼関係とコミュニケーションという絶妙なバランスの上に成り立っており、それが一度崩れてしまうと、元の状態に戻すまでに相当な時間と労力がかかってしまいます。

 組織にとって有害なコミュニティクラッシャーを見つけた場合、現場のマネージャーがまず取るべき対応は「閻魔帳」に書き込むことです。これは人事部門の関係者にはお馴染みで、日々の言動を細かく書き溜める記録を指します。問題が発覚してから証拠集めを始めるのではなく、本来は、日常的に社員一人一人の言動を記録しておくのが本筋です。

 閻魔帳は単に問題行動を記録するためのものではありません。例えば、「誰々さんが会議の場でこういう発言をしていて、とても良かった」といったポジティブな記録――社員が良い行動を取ったときや、称賛すべき発言をしたときなども含めて、日々の行動を包括的に記録します。

 一般に、マネジメントの鉄則として、第三者の声だけで判断したり、印象のみで評価したりすることは避けなければなりません。すべての判断は、具体的な事実と記録に基づいて行う必要があります。これは、後の段階で何らかの処分を行う必要が生じた場合にも、その判断の妥当性を示す重要な根拠となります。

 そして、問題のある言動に最も効果的なのは、言うなれば「現行犯(を捕まえる)」とでも言うべき即時対応です。マネージャーが現場で直接見聞きして「今の言動はおかしい」と指摘することが、最も強力な証拠となります。