![新卒の給与アップの裏で…氷河期世代が再びワリを食う「ステルス給与カット」の深刻](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/9/3/650/img_932f4673b347b9432f58dc9ff0ece37f320879.jpg)
職場における問題のほとんどは人間関係に由来すると言っても過言ではない。人事、採用、マネジメントをはじめ、人間関係の困りごとをどう解決するか。本連載では、人事や採用分野に詳しいコンサルタントである人材研究所の安藤健氏が毎回テーマを絞って「職場の未解決問題」に対するアプローチや対処法、予防策などを解説する。連載第1回は、相次ぐ「新卒の初任給アップ」について。その裏にあるからくりや、給与の構造とは。氷河期世代をはじめとしたミドル世代の既存社員が割を食うことはないのだろうか?(人材研究所ディレクター 安藤健、構成/ライター 奥田由意)
年明けのサプライズ
相次ぐ初任給30万円超の発表
2025年の仕事初め、ネットや新聞のニュースに「三井住友銀、初任給『30万円』」という文字が踊りました。しかも、後を追うように明治安田生命保険が初任給33万2000円、住信SBI銀行が33万円、東京海上日動火災保険に至っては41万円と初任給の大幅アップの報が続いています。
大手商社も初任給は30万円以上、ファーストリテイリング、大成建設なども30万円超えを提示するなど、一部の大手企業では、初任給30万円時代が到来しているかに見えます。
こうした企業の動きに対して、ヤフーニュースのコメント欄などでは、中高年と思しきビジネスパーソンから、自分たちの給与はどうなるのかという心配の声が上がったりもしていました。
しかし、当事者である就活生の反応は意外にも堅実なものでした。
私が講演している就活支援サービス「マイナビTV」の就活講座で、約1000人の学生に「初任給はいくらもらいたいか」と質問したところ、「22万円もらえたら御の字」など、20万円台の回答が多く、30万円と答えた学生は一人もいませんでした。