間に合うか?慰謝料請求の時効まであと2カ月…夫の「20年不倫」に翻弄された妻と娘の未来20年にも及ぶ父親の不貞。3年ほど前、女子高生だった娘は、父親の密会現場を偶然目撃し尾行を開始した(写真はイメージです) Photo:PIXTA

筆者は、吉本でお笑いコンビ「オオカミ少年」で活動する傍ら、探偵事務所の代表を務めています。私の探偵歴十数年の中でさまざまな調査の相談を受けました。相談の大半を占めるのは浮気・不倫調査ですが、そのほとんどが結婚相手の調査です。結婚相手の浮気・不倫による精神的苦痛に対して慰謝料を請求できますが、慰謝料を請求する権利には時効があることをご存じでしょうか?今回は、そういったケースで実際にあった調査をご紹介いたします。(探偵芸人 オオカミ少年・片岡正徳、登場人文はすべて仮名)

夫の不貞行為に
20年間苦しめられてきた女性

 東京都某所在住の遠藤雅美さん(47歳・女性)が私の探偵事務所を訪れたのは、ある秋の日のことでした。

 張り詰めた表情の雅美さんと、付き添って来られた娘の京華さん(21歳)から、まずは事情を聞くことにしました。

オオカミ少年・片岡正徳オオカミ少年・片岡正徳

 京華さんは「お父さんと呼ぶのは高校生の時からやめました。あいつは最低です。お母さんを裏切り続けてきたのに、まだ遊ぶことしか考えてないんです。お母さんの強く言えない性格を知り抜いているあいつは、そこにつけ込んでいるんです。不倫を察知したお母さんが少しでも不機嫌になると、逆ギレして家を飛び出すんです。深夜にこっそり帰ってきて翌朝は何食わぬ顔をしているんです。私の同級生のお母さんにまで声をかけたりもして、そのせいでいじめにも遭いました」。

 彼女の目には涙が浮かび、強い憤りが表れていました。

 雅美さんは「夫の不倫の証拠を押さえて、離婚したいんです」。