
中国の習近平国家主席は近年、腐敗と不忠を撲滅すべく、数十人の軍司令官を粛清した。イデオロギー的な熱意と道徳的な清廉さが低下したことが問題の原因だと習氏は考えている。
習氏はこうした状況を是正するため、世界有数の規模を誇る中国人民解放軍の意識改革に着手した。習氏が昨夏に教化運動を命じて以降、200万に上る中国軍兵士が習氏の演説を研究し、共産党の規則を身につけ、革命の功績にインスピレーションを求めている。
軍幹部らは、6部構成のドキュメンタリー「淬火」の中でこのメッセージを繰り返し強調した。このドキュメンタリーは英雄の偉業や新たな戦闘能力、最新兵器を紹介するもので、一般兵士向けの上映も行われた。
習氏は教化運動を開始した昨年6月の会議で、「われわれは軍に対する党の絶対的指導力を維持しなければならない」と上級司令官らに述べた。「銃身を握るのは常に、党に忠実で信頼できる人間でなければならない」
教化運動の目的は、習氏が広範囲に及ぶ粛清を進める中、規律や愛国心を高めることにある。しかしこれによって士気が下がり、中国に近代的な軍隊を構築することができるのかが疑問視されている。