
「最近の若手は指示待ちばかりで、自分で動こうとしない」――もしそう感じることがあるなら、それは上司の接し方に原因があるのかもしれない。プロコーチの林英利氏は、部下の成長を促すには、「指示」ではなく「質問」が重要だと指摘する。部下が自ら気づき、動き出すための「いい質問」とは?林氏の新刊『いい質問が部下を動かす』(三笠書房)から、部下のやる気を引き出し、主体性を育むための実践的な質問術を紹介する。
アイデアが湧かない人に足りないもの
「新しいアイデアを出してほしい」「何かいいアイデアはないだろうか」
上司として部下にそう期待することはありませんか。
でも、逆の立場に立って考えてみると、急に「いいアイデアを」と求められても困ってしまうのではないでしょうか。アイデアが湯水のように湧いてくる人は、そうそういません。
会社員時代、新規事業を担当するチームのリーダーに抜擢されたことがあります。
マネジメントをする立場は初めてではなかったものの、新規事業の推進に携わったことは一度もなかったので、どのように進めていけばいいか、悩んでいた時期がありました。
何かアイデアをひねり出そうにも、どこから手をつけたらいいのかわからない。
そこで、ヒントを求めて書店に行ってみました。
書店はアイデアの宝庫です。
最近は、わざわざ書店へ足を運び、うろうろ歩き回って探さなくとも、ネットでキーワードを打ち込み検索すれば、目的に適う本が即座に買えてしまいます。目的を持って本を読むときは、それで十分です。