デキる上司が見抜いている、会議でネガティブ発言ばかりする部下のホンネ人の目を気にせずに、誰が聞いてもネガティブにしか聞こえない発言ができるというのは、ある意味、積極性があるとも受け取れる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「最近の若手は指示待ちばかりで、自分で動こうとしない」――もしそう感じることがあるなら、それは上司の接し方に原因があるのかもしれない。プロコーチの林英利氏は、部下の成長を促すには、「指示」ではなく「質問」が重要だと指摘する。部下が自ら気づき、動き出すための「いい質問」とは?林氏の新刊『いい質問が部下を動かす』(三笠書房)から、部下のやる気を引き出し、主体性を育むための実践的な質問術を紹介する。

ネガティブ発言=悪ではない

 一般的には、「ネガティブ思考であるよりは、ポジティブ思考であるほうがいい」と考えられているかと思います。

 たしかに、後ろ向きな発言しかしない人が、チームのやる気を削いだり、会議の雰囲気を悪くしたりすることはありますよね。

 ただ、私は必ずしもネガティブ思考が悪いとは思っていません。

 というのも、自分自身がポジティブ思考をするタイプであり、それが原因で、ときに無鉄砲に突っ込んでいってしまうことがあるからです。

 ですから、仕事におけるパートナー的立場には、いい意味でブレーキをかけてくれる人がいたほうがバランスが取れてうまくいきます。

「この点については、本当に大丈夫ですか?」
「これについて、忘れていませんか?」

 と、要所要所で「正しく足を引っ張ってくれる」のです。

 もとより、100%ポジティブ思考で生きている人はいないでしょう。誰にだってネガティブな部分はあります。どちらかに振りきっていれば、それはむしろバランスが悪い人です。

 謙虚に自分の不得手な部分を理解しつつ、自分の長所についてもしっかりと把握していて、ポジティブとネガティブの天秤が若干、ポジティブ側に傾いているくらいが理想です。