デキる上司が部下にしている、「散らかった頭」を一瞬で整理させる質問話にまとまりがなくて、何が言いたいのかさっぱりわからない部下の話。聞き流したり、曖昧にしたりしたままで次に進もうとしないこと(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「最近の若手は指示待ちばかりで、自分で動こうとしない」――もしそう感じることがあるなら、それは上司の接し方に原因があるのかもしれない。プロコーチの林英利氏は、部下の成長を促すには、「指示」ではなく「質問」が重要だと指摘する。部下が自ら気づき、動き出すための「いい質問」とは?林氏の新刊『いい質問が部下を動かす』(三笠書房)から、部下のやる気を引き出し、主体性を育むための実践的な質問術を紹介する。

もう一度発言するチャンスを与えてみる

 会議での発言を聞いていて、「……つまり、どういうこと?」と尋ねたくなることはありませんか?

 話にまとまりがなくて、何が言いたいのかさっぱりわからないのです。

 意見が交錯する会議の場では、発言しながら同時進行で頭の整理をする必要がある状況に陥ることもめずらしくないでしょう。

 言いたいことがまとまらないまま発言すると、話が行ったり来たりし、同じことをくり返したり、言い淀んだりしつつ、とりとめのない話をだらだら続けてしまうことになります。

 聞いているほうは要点がわかりにくいし、言いたいことが把握できないので、理解しようと努力しなければならず苦痛です。

 だからといって、聞き流したり、曖昧にしたりしたままで次に進もうとしないこと。

 なぜなら、要点をまとめれば、聞くに値する意見になる可能性もあるからです。

 本人もとりとめのない話をしてしまったと悔やんでいるでしょうから、

「大切なポイントをひと言で言うと?」
「今の話を要約してみると?」

 という質問で、もう一度発言するチャンスを作ってあげるといいと思います。部下のちらかった頭の中を、部下自身に整理してもらいましょう。

 このとき、数字を使って整理するように提案するのもいい方法です。