新FBI長官、嵐のようなスタートの内幕Photo:Bloomberg/gettyimages

【ワシントン】米連邦捜査局(FBI)の地方支部にいる職員たちは今週ビデオ会議に参加し、カシュ・パテル新長官の訓示を聞いた。パテル氏は非常に多くの改革についてまくし立てたため、その全てに同氏が本気なのか分からなかった。

 この会議についてよく知る複数の人物によると、パテル氏はFBIの指揮統制を地域に置いて再編することや、特別捜査官の適性要件を引き上げること、そしてドナルド・トランプ米大統領と親しい人物が運営するケージファイトリーグUFCとFBIがパートナーシップを締結することを計画している。

 これら関係筋によれば、パテル氏は、自分は会議が嫌いであり、週1回のビデオ会議は月1回になるかもしれないと述べ、会議の途中で別の電話に出るために席を外したという。

 元検察官のパテル氏はFBIの抜本的改革を約束している。FBIの重点の一部を、国家安全保障に関わる業務や外国の脅威から、凶悪犯罪対策や他のトランプ氏の優先事項へと移す計画も改革の一つだ。

 パテル氏のFBI長官就任1週間で、同氏の在職期間中にどの程度までこの伝統に縛られた機関が根底から覆され、その組織風土が変えられる可能性があるかが、十数人の現・元FBI当局者への取材から明らかになった。

 パテル氏は就任して間もなく、FBI上層部の職員を全員排除して政治関係者と入れ替えた。また、職員1500人に首都ワシントンからの異動を命じ、転居にかかる費用は支給しないとした。副長官を捜査官から選ぶとの約束も破った。

 同氏は別の法執行当局を監督するという二つ目の任務も得た。FBI長官は政府で最も困難な仕事の一つとみられているだけに、異例の人事だ。