「あなたは国立大、弟は私大なんだから…」兄の後妻が遺産相続で主張した「トンデモ理論」に弟がブチギレ!Photo:PIXTA

相続では予期せぬトラブルが起こることが少なくありません。トラブルが起こると、想定外の費用が発生します。時に、千万円、億円単位の出費につながることもあるのです。(アレース・ファミリーオフィス代表取締役 江幡吉昭)

相続で気を付けたい
「ゴミ・カネ・カゾク」のトラブル

 相続は多くの人にとって「よくある出来事」ではありません。せいぜい親の相続など人生で1、2回。大事だと頭ではわかっていても、実際何に気を付けなければいけないかは、イマイチわかっていないという人は少なくないでしょう。

 今回は事例を基に、相続で起こり得る意外なトラブルとその対策について考えてみましょう。

 相続で注意したいのは、「ゴミ・カネ・カゾク」の3要素です。財産が多かろうと少なかろうと、この3つのいずれか、あるいは全てが絡み合うことで、相続問題は複雑化し、深刻なトラブルに発展してしまうのです。

事例で学ぶ相続トラブル(1)ゴミ問題
撤去費用で土地を売っても赤字のケースも!

 ある関東近郊の私立大学で教授をしていた男性は80代で亡くなりました。

 その男性は生涯独身。神奈川県のある住宅地で木造2階建ての家屋に一人で住んでいました。

 男性の死後、家の中を整理しようとした弟家族は驚きの事態に直面することになります。家の中には大量のモノ・モノ・モノ……。いわゆる「ゴミ屋敷」状態だったのです。

 一般的にゴミ屋敷というと、庭までゴミや廃棄物であふれていたり、塀の高さを超えるくらいのゴミが詰まれていたりする家を想像する方も多いでしょう。しかしそこまでいかずとも、家の中が歩き回れないくらいのゴミ(故人にとっては必要なものだったと思うのですが)であふれていて足の踏み場もない状態になっている家は意外と多いものなのです。この男性の家もそういった状態でした。