重要なのは「収入>支出」
無理のない活用プランを立てよう

 65歳からは年金受給もあるので、年金で賄えない分を貯金や新NISAの取り崩しで賄うことが基本戦略です。退職金2000万円は何かあった時のために現金で残しておく、もしくは債券などのローリターン・ローリスクの安定資産で運用するのがいいでしょう。

 例えば、債券ETFの「AGG」や「BND」へ退職金の2000万円を投資すれば、比較的安心して運用できます。多少の値動きはありますが、株式ほど値動きは激しくなく、ほぼ元本をキープしつつ、年間3%の60万円程度の分配金が得られます。

 もしリスク許容度が高く、「新NISA以外でも運用したい!」と考えている方は、検討してみてはいかがでしょうか。

図表:AGGのチャート同書より転載 拡大画像表示

 とはいえ、購入する商品を増やせば増やすほど、ポートフォリオは複雑化してしまいます。基本は「現金+全世界株式」で、現金比率でリスク調整するだけでも十分です。

 もっと言えば、適切な家計管理をして「収入>支出」の状態を作ることが重要です。支出を低く抑えて年金や貯金だけで生活できるなら、わざわざ新NISAでハイリスクな株式に投資する必要はありません。

 ここまで頑張って貯めた大切な資産ですので、投資をする際は、ご自身の収入、資産、投資経験、性格などを踏まえ、無理のない範囲でご検討ください!

 年齢やライフプランによって、新NISAの使い方は人それぞれ。

 大切なのは、ご自身の状況に合わせて、新NISAをどのように活用すれば、より豊かな未来を描けるのかを考えることです。

 新NISAは、控えめに言って神すぎる制度です。生涯を通じて利用でき、1800万円と投資枠も大きく、売却しても投資枠が復活して再利用できる。長期的な資産形成をする上で、非常に頼もしいパートナーです。

 紹介したケーススタディを参考に、あなただけの新NISA活用プランを立ててみてください!