新NISAで定期売却を設定する場合も、4%ルールを参考に、年間の取り崩し額を資産残高の4%以内に設定することで、資産の長寿命化を図ることができます。例えば、

・資産残高が1000万円の場合→年間の取り崩し額は40万円(月々約3.3万円)
・資産残高が2000万円の場合→年間の取り崩し額は80万円(月々約6.6万円)

 といった計算になります。4%ルールは、あくまで目安であり、個々の状況によって最適な取り崩し額は異なります。

 例えば、株式と債券への資産配分や取り崩し率によって、成功確率も変わってきます。4%も取り崩す必要がない場合は、取り崩し率を3.5%や3.0%に下げることで、より堅実な取り崩し戦略にすることもできます。

「老後に『資産を取り崩していく』なんて、なんだか不安だな……」

 そう感じる人もいるかもしれません。

 しかし、必要以上に取り崩さなければ、心配する必要はありません。あくまでも運用益の一部を取り崩していくだけなので、例えるなら、コップから溢れた水だけを飲むようなイメージです。

 ぜひ、ご自身のライフプランに合わせて、取り崩し率を調整してみてください!

定期売却の3パターン
自分に合った方法を選ぼう

 定期売却には、大きく分けて以下の3つの種類があります。

・定額売却:毎月決まった金額で売却する方法
・定率売却:保有している資産残高に対して、一定の割合で売却する方法
・期間指定売却:設定した期間で、決まった口数を売却する方法

 それぞれの特徴を理解し、自分の投資目標やライフプランに合った方法を選びましょう。

定期売却1 定額売却

 定額売却は、毎月決まった金額で投資信託を売却する方法です。

 例えば、「毎月10万円を売却する」と設定すれば、毎月10万円分の投資信託が自動的に売却され、あなたの銀行口座に入金されます。

・メリット:毎月安定した収入を得られるため、資金計画を立てやすい
・デメリット:暴落などで資産が減少した際にも、定額で売却を続けると、資産の減少スピードが加速してしまう可能性がある

 定額売却は、定期売却の中で最も一般的な方法です。前述した4%ルールも、この定額売却を前提に考えられています。