任天堂スイッチ2とGTA最新作、市場の起爆剤になるかPhoto:Bloomberg/gettyimages

 ゲーム業界で確実なヒットはめったにない。同じ年にヒットが2本続くことはさらに珍しい。

 2024年に苦境を味わったゲーム業界が今年は大きな賭けに出る。 任天堂の新型ゲーム機 「ニンテンドースイッチ2」と人気ゲームシリーズ最新作「グランド・セフト・オート(GTA)6」はいずれも年内に発売が予定され、大ヒットが見込まれている。

 だが他のゲームメーカーへの波及効果は限定的だろう。どちらかの発売日が後にずれるか、製品や作品そのものが期待外れだった場合、ゲーム業界は成長スランプから抜け出せない可能性もある。市場調査会社サカーナによると、米国の24年のゲーム売上高は前年比1%減の587億ドル(約8兆8300億円)。23年はわずか1%増、22年は5%減だった。

 期待感は依然として高い。初代ニンテンドースイッチの累計販売台数は1億5000万台強と、 任天堂 が発売したゲーム機の中で過去最多を記録し、据え置き型ゲーム機「Wii(ウィー)」を48%上回っている。また任天堂が新型ゲーム機を発売するのは8年ぶりだ。これは少なくとも1980年代半ばの(日本では「ファミリーコンピュータ、略称ファミコン」として発売された)「ニンテンドー・エンターテインメント・システム(NES)」以降で最も長い間隔となる。

 一方、米 テイクツー・インタラクティブ・ソフトウエア はGTAを前回リリースしてから12年近くが経過。前作は2013年の発売以来、2億1000万本以上を売り上げ、歴代のゲーム作品の中で5本の指に入るベストセラーだと広く認識されている。 

「ヒット間違いなし」が極めてまれなゲーム業界で、スイッチ2とGTA 6は確実にヒットするとみられている。実のところ、長年実績がある成功したシリーズでさえ、もはや高くつく失敗とは無縁でなくなっている。