個人資産23兆円の富を築いた投資の神様が最重視する3つのパターン

「投資の神様」と呼ばれ、94歳となった現在もその一挙手一投足に世界中からの注目が集まるウォーレン・バフェット。「個人資産総額23兆円」「60年以上にわたり年平均リターン20％」「景気や感情に左右されない投資スタイル」――そんな〈生きる伝説〉を40年以上にわたって研究し続け、バフェットの「12の投資原則」「ポートフォリオ戦略」「お金に対する考え方」を誰にでもわかりやすく解説し、投資戦略や資産形成に実践できるようにまとめた一冊が『株で億兆を築くバフェットの法則』だ。本記事では、その一部を抜粋・編集し、お届けする。

株価の方向性を示すパターン

　人間の心はパターンを求める。パターンは秩序の存在を暗示していて、それによって我々は世界を理解する。

　投資家も同じだ。投資家もパターンを求める生き物だ。

　ただ、残念なことに、ほとんどの投資家は探す場所を間違えている。

　彼らは短期的な価格変動を予測する頼れるパターンがあると信じている。それは間違いだ。

　株式市場の進む方向を常に予測できるモデルは存在しない。

　市場はあまりにも大きく複雑で、常に変化を続けている。市場を予測するモデルは同じパターンを繰り返さない。それなのに投資家は探し続けている。

　ウォーレン・バフェットもパターンを探す。しかし、彼が探しているパターンは市場に限定されていない。事業を分析するときに現れるパターンだ。

　それぞれの企業には三つの重要な面ではっきりとわかるパターンがあることをバフェットは学んでいた。

　・企業の特質
　・財務上のリターン
　・経営者の質

　これらのパターンは、将来どこかの時点で株価のその後の方向性を明らかにしてくれるとバフェットは固く信じている。

　短期的には株価は事業の変化を逐一丁寧に反映してはくれない。

　しかし、十分長いスパンで考えれば、株価は根本にある事業の経済性、特質が持つパターンと驚くほど一致してくるのだ。

　勝ち続ける場合、常に幸運が絡むものだといわれてきた。

　ウォーレン・バフェットも長いキャリアの中で、幸運をつかんだことがあったのは疑いないが、不運に見舞われたこともちゃんとある。

　長い間勝ち続けたのは、優れたスキルによってもたらされたものであることは間違えないでほしい。

　本書の目的は、世界最高の投資家のスキル、技を探ることである。

（本稿は『株で億兆を築くバフェットの法則』を抜粋、再構成したものです）