昨年10月末に販売開始された、三菱自動車のクロスオーバーSUV「アウトランダー」大幅改良版。国内販売は「想定以上」に好調で、今年の春から欧州市場へ、その後はオーストラリア、ニュージーランド、北米へと順次投入が予定されている。

 デビューからわずか3年で、フルモデルチェンジと言って良いほどの大幅改良。
 順調に売れているクルマに、なぜ今のタイミングで手を入れたのか?その真意を伺っていこう。

三菱自動車工業 商品戦略本部 CPSチーム商品企画 チーフ・プロダクトスペシャリスト 五味淳史氏三菱自動車工業 商品戦略本部 CPSチーム商品企画 チーフ・プロダクトスペシャリスト 五味淳史氏 Photo by AD Takahashi

デビューからたった3年で、なぜ大幅改良?

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):初めに伺いたいのは「なぜ今のタイミングで大幅なマイナーチェンジを施したのか?」ということです。PHEVの駆動用バッテリーを刷新して、EV航続距離を100km超まで持ってきた。距離だけではなく、パワーも上がったので、それに対応して足回りも刷新した。普通マイナーチェンジというのは、初動の勢いが鈍ってきて、売上を回復させるための「テコ入れ策」として行うものですよね。

三菱自動車工業 商品戦略本部 CPSチーム(Global Vehicle)商品企画 チーフ・プロダクトスペシャリスト 五味淳史さん(以下、五):正直な話をすると、マイナーチェンジを入れる前も、アウトランダーはものすごく好評で、販売も好調だったんです。立ち上がり(売り出し直後)の際のデザインが高く評価され、もちろん進化したS-AWCも良く、かつインテリアも非常に良いよね、と評価していただいていた。我々も自信を持ってやっていたんです。

F:評判も良く、順調に売れている。普通に考えたら、マイナー(チェンジ)はもっと先でも良さそうです。