
中学受験への挑戦を決めた家庭の最初の難問が、塾選びだ。どの塾もウェブサイトや広告で有名難関校の合格者数を前面に押し出してくるものの、塾同士の横比較は簡単ではなく、また、そもそも難関校だけを志望しているとは限らないはずだ。そこで、特集『わが子がもっと伸びる! 中高一貫校&塾&小学校【2027年入試版】』の#11では、関西の主要19塾における直近2026年入試の合格実績を大分析。難関校から中堅校以下まで、どの学力層でも役立つ各塾の真の「合格力」を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
大手の馬渕教室が
全校の合格者数を非公表に
中学受験塾選びの際の指標となるのが、各塾の広告やウェブサイトで前面に押し出される難関校の合格者数だ。しかし、その数字は、その塾の実力を必ずしも表しているわけではない。例えば、生徒数が多い塾ならば、それに比例して難関校の合格者数も増えるだろう。実際、その塾の生徒の“平均”的な合格校の偏差値帯は、塾によって大きく異なるのが実態だ。
そこで、長年にわたり中学受験塾の情報を網羅的に収集し、分析している中学受験カウンセラー、石田達人氏の協力の下、関西主要塾の直近2026年入試の合格者データを大分析。各塾における合格校の「偏差値帯ごとの割合」や、合格校の「平均偏差値」を算出することで、難関校の合格者数に惑わされない塾の真の実力が分かる「合格力」ランキングを作成した。
ただし、肝に銘じてほしいのは、ランキング上位の塾が、わが子にも最適な塾は限らないことだ。塾選びでより大切なのは、子どもの現時点の学力や志望校、さらには子どもの性格と塾の指導方針の相性などによって、塾が変わる点だ。
加えて、各塾が公表する合格実績データそのものにも注意が必要である。全国学習塾協会は、合格実績として公表できる生徒の範囲の自主基準を定めているが、順守義務はなく、合格者数のいわば“水増し”的なカウント方法をしている塾もある。
また、大半の塾では入試後程なく、合格校の難易度や知名度とは関係なく全ての生徒の全ての合格校をウェブサイトなどで公表するのが一般的だが、中には学力下位の学校名をあえて「非公表」にしている塾もある。顧客である保護者や生徒からすれば、その塾の誠実さを見極める上での大切なポイントになるだろう。
実際、規模の面で関西における中学受験塾ナンバー2の座を日能研と競う馬渕教室は、今年度より合格校と合格者数の外部への全公表を取りやめた。結果、次ページのように各塾を分析する「合格校入試偏差値ランク別のウエート図」(どの偏差値レベルの中高一貫校にどれだけの合格者を出しているかの割合)や、「『合格力』ランキング」(合格校の平均偏差値)において、馬渕教室の数字は前年から大きく改善した(このため、「合格力」ランキングの対象外とした)。
次ページでは、関西の中学受験塾における絶対王者、浜学園をはじめ、日能研や能開センターなどの大手のほか、少数精鋭型で難関校を目指す希学園、首都圏発のSAPIXなどの「『合格力』ランキング」を公開。加えて、関西の主要19塾における前述の「合格校入試偏差値ランク別のウエート図」や「『合格力』と塾の規模の相関図」など、塾選びに役立つ図表とその分析を一挙掲載する。








