
インド市場に強いことで知られるスズキ。コンパクトSUV「フロンクス」は、インドで生産して、日本に「輸入」しているクルマです。そう聞いたフェルさんが疑問に思ったのは「インドのフロンクスと日本のフロンクスって、まったく同じなの?」ということ。日本市場向け、または逆にインド向けならではの機能や仕様というのはないのでしょうか?開発者によると「日本市場だけで必要な3点セットがある」というのです。フロンクスを日本で売るために組み込んだ“3点セット”とは?(コラムニスト フェルディナント・ヤマグチ)
Gクラスのタイヤを換えました
みなさまごきげんよう。
フェルディナント・ヤマグチでございます。
今週も明るく楽しくヨタ話から参りましょう。
週末は宮崎で過ごしておりました。宮崎の家に置いてある、メルセデス・ベンツGクラス。タイヤが微妙な状態になってきたので、新しいものに交換しました。ハイエースに装着したTOYOのタイヤがものすごく良かったので、GにもTOYOの製品をチョイス。PROXES Sport2というSUV向けのスポーツタイヤです。乗り心地がビシッと締まりました。こうなると「どのように造っているか」が気になってくる。近々工場見学に行ってみましょう。
宮崎の家に置いてあるGクラスのタイヤを交換。TOYOのPROXES Sport2というSUV向けのスポーツタイヤにしました Photo by Ferdinand Yamaguchi
こちらはサーフィン仲間のドクター澁谷。2年前に某サーフポイントの駐車場で知り合って以来ご厚誼をいただいています。もともとは循環器内科の先生で、心臓血管カテーテルが得意分野だったのですが、「痛みを取る医学」に目覚め、現在は慢性疼痛に対する治療をメインにされています。しかし食が痛みの原因だったとは……肉ばかり食べている私は……反省します。
著書『しつこい痛みは食事でよくなる!』を持つ澁谷真彦さん。肩鎖関節脱臼に鎖骨骨折と、2回も大ケガをした私の左肩の痛みも、食事で和らぐでしょうか…… Photo by F.Y.
宮崎のゴルフ場でおサルの大群に遭遇(!)
宮崎の家の改修が進んでいます。かなりの大規模工事になりそうです。ここ宮崎も、ご多分に漏れず大工さんの数が絶望的に足りていない。何とか連休までには仕上げていただきたいものです。
壁をブチ抜き、床をめくり、天井を剥がし……完成が楽しみです Photo by F.Y.
今回はサーフィンだけでなくゴルフも楽しんだのですが、なんとグリーン上におサルの大群が……。ちょっと恐怖を感じるくらいの大群です。「追いかけない。餌をやらない。目を合わせない」とたくさんの注意書きがありました。
彼らは球筋が見えるようで、近くにゴルフボールが飛んでいってもあわてて逃げたりしません。面倒くさそうにノソッと避けるだけです。野生動物というのは大したものです。
ゴルフ場におサルの大群が…… Photo by F.Y.
ということで本編へとまいりましょう。スズキのフロンクス開発責任者インタビュー後編です。
日本でクルマを販売するために満たさなければならない条件とは?
日本とインドで共同設計し、インドで生産して日本に“輸入”している、スズキのコンパクトSUV「フロンクス」。前回(開発者インタビュー前編)は、「実は日本でクルマを販売するには、満たさなければいけない条件があ」り、その具体的な内容に入るところで終了した。
尻切れトンボのようなヒドい終わり方だったため、「続きはどうした!」「良い所で切るな!」と複数の抗議メールを頂戴した。大変申し訳ございません。早速、続きの部分からまいりましょう。
インタビュー風景。右がスズキ 商品企画本部 四輪B・C商品統括部 チーフエンジニア 森田祐司さん Photo by AD Takahashi
スズキ 商品企画本部 四輪B・C商品統括部 チーフエンジニア 森田祐司さん(以下、森):実は日本でクルマを販売するには満たさなければいけない条件があるんですよ。世界で売るクルマは、グローバルでキチンと通用するところと、日本専用にしなきゃいけないところとを切り分けながら、「この部分は絶対に外せないから、ちゃんと盛り込んでおこう」と詰めていくんです。
フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):それは大変興味深いお話です。ぜひ教えてください。
条件その1:ゴルフバッグ
森:例えばですね、ゴルフバッグです。ゴルフバッグを横向きに積めるようにする必要がある。
F:あ、それは聞いたことがあります。古い話ですが、初代ホンダNSXはトランク部分を後ろに伸ばして、小振りのゴルフバッグなら横向きに2つ積めるように設計したとか。もちろん空力性能の向上が主な目的だったのでしょうが、実は裏メニューとして「ゴルフクラブの横向き搭載」が設計条件に挙げられていた、と。
森:そう。かようにゴルフバッグの搭載は日本で売るには大事な条件なんですよね。だから各社とも無理やりにでも積めるようにと、いろんなものを省いて設計しようとする。でもそこはグローバルな視点から見ると、設計上の制約が増えてしまうので、フロンクスの場合はスパッと諦めました。







