
米半導体大手 ブロードコムの前回の決算発表は、同社を時価総額1兆ドル企業に押し上げた。その後の株価下落を受けてこの地位から陥落したが、今回の決算は同社が再び1兆ドル企業に返り咲くのに役立つはずだ。
ブロードコムはグーグルなどのテック企業が人工知能(AI)用の独自プロセッサーを設計するのを支援している。そのため、企業がAI開発に拠出する何十億ドルもの投資から大きな恩恵を受けている。
だがそのためにブロードコムは、AI支出は長続きしないのではないかと懸念を強める投資家の主な標的となっている。これらの懸念は、中国AI新興企業ディープシークの台頭などの新たな展開や、中国を中心とした外国市場への先端チップ販売規制が強化される可能性によって高まった。
ブロードコムは、アップルのiPhoneに使用される無線周波数チップや産業用部品など、半導体市場の中でもそれほど好調ではない分野へのエクスポージャーも高い。
こうした懸念や過去2週間の株式市場の急落により、ブロードコムは時価総額1兆ドル企業の座を失った。同社の株価は過去1カ月で22%下落し、下げ幅はS&P500種指数の6%を大きく上回った。