カナダの与党・自由党の党首選挙が9日に実施され、マーク・カーニー氏(59)が勝利した。カーニー氏はジャスティン・トルドー首相の後任に就き次第、選挙を実施する見通しで、中道左派勢力は一転して優勢な状況となっている。カーニー氏は数日中に正式に首相に就任する予定で、ドナルド・トランプ米大統領による貿易戦争への対応を引き継ぐことにもなる。カナダと英国で中央銀行の総裁を務めた経歴を持つカーニー氏は、世論調査で野党・保守党の低迷が示される中、総選挙を速やかに実施するとみられる。保守党は数週間前までは、地滑り的勝利が予想されていた。カナダ政界で潮目が変わった背景には、トランプ氏が1月に就任し、ほぼ即座に25%の関税でカナダを標的にしたことがある。米国市場への無関税でのアクセスは、数十年にわたりカナダの成長を支えてきた経済モデルだが、関税はこれを脅かすものとなった。