「頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが20万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)

ダメな上司の2つの特徴とその解決策
今回は「ダメな上司」の2つの特徴についてお話しします。
1位:依頼ではなく“お願い”になってしまう
依頼とお願いの違いは、断れる余白があるかどうかです。
お願いの場合、「忙しいと思うんだけど、もし時間があったらやってくれますか?」といったように、相手に断る余地を与えます。
一方で、依頼とは単に「これを郵便ポストに出してください」「提案資料を○日までに作ってください」と、具体的に指示を出すことを指します。
しかし、多くの上司は、相手に気を遣いすぎたり、申し訳なさを感じたりして、本来は依頼すべきことをお願いの形で伝えてしまうことが多いのです。
そうすると、部下が断れる余地を持つため、実際に断られることが発生します。
そして、もし断られた場合、上司は自分でやるか、別の人に振るしかなくなります。
しかし、そもそも依頼ができない人は、結局別の人にも“お願い”する形になりがちです。そうすると、部下のほうが立場が強くなり、仕事の進行が部下次第になってしまいます。
結果として、計画どおりに仕事が進まず、組織全体の生産性が低下するのです。
このように、上司が相手に気を遣いすぎると、かえって業務が滞るという問題が生じます。
2位:誰でもできることを自分でやってしまう
この問題が起こる理由は2つあります。
1つ目は、依頼ができず、結局自分でやってしまうケースです。
先ほどの「お願いになってしまう問題」と関連しており、断られた結果、上司が自分で仕事を抱え込むパターンです。
2つ目は、「自分でやったほうが早いから」という考え方です。
例えば、提案資料を自分で作ったほうが短期的には早いし、営業も自分で回ったほうが成果が出るかもしれません。
しかし、これは短期的には正しくても、長期的には間違いです。
なぜなら、上司やマネージャーの役割は「5人のチームで5の成果を出すこと」ではなく、「5人で50や100の成果を生み出すこと」です。
つまり、自分のパフォーマンスではなく、チーム全体のパフォーマンスを最大化することが求められます。
だからこそ、誰でもできる仕事は自分でやるのではなく、適切に任せる必要があります。
解決策:宣言すること
この2つの問題を解決するためには、「自分の方針を明確に宣言すること」が重要です。
例えば、「依頼ではなくお願いになってしまう問題」に対しては、次のように宣言します。
また、「誰でもできる仕事を自分でやってしまう問題」に対しては、次のように伝えます。
このように、自分の方針を明確に伝えることで、部下も納得しやすくなり、不要な気遣いをすることなく、業務を円滑に進めることができます。
さらに、定例ミーティングなどで、定期的にこの宣言を繰り返すと、組織全体に浸透していきます。「宣言している=チーム全員が了承済み」という状態を作ることで、気を遣うことなく仕事を進めることができるのです。
まとめ
ダメな上司の特徴1:依頼ではなくお願いになってしまう
依頼とは、断る余地を与えない指示である。
相手に気を遣いすぎると、業務の進行が滞る。
ダメな上司の特徴2:誰でもできる仕事を自分でやってしまう
短期的には効率的だが、長期的にはチームの成長を阻害する。
上司の役割は、チームのパフォーマンスを最大化すること。
解決策:方針を宣言する
依頼を徹底することを宣言する。
誰でもできる仕事は自分でやらないことを明言する。
定期的に伝え続けることで、組織に浸透させる。
この方法を実践すれば、明日から職場の環境が大きく変わるはずです。ぜひチャレンジしてみてください。
(本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者、西原亮氏が特別に書き下ろしたものです)