
部下に仕事をお願いしていたけど、期待していたものとは全然違う内容でガッカリした……という経験がある上司は多いでしょう。この残念なすれ違いを回避するには、「ワークシート」を使う方法が有効です。依頼したい内容をすり合わせるだけでなく、部下の育成にも役立つ「ワークシート活用法」をご紹介します。(ギックス共同創業者 田中耕比古)
「こんな感じで」がズレるのはなぜ?
部下に仕事を依頼するときのコツ
「こういう感じの資料を作ってよ」「このあたりの数字を取りまとめておいてくれる?」などと部下に依頼したものの、出来上がってきたものは、期待していたものとは全く違っていた……。部下を持つ上司であれば、そんな事態に遭遇したことは、一度や二度ではないでしょう。
こうしたズレの原因として考えられるものはいくつもありますが、その中でとても大きな比重を占めるのが、「こちらがどんなアウトプットを期待しているのかを、うまく相手に伝えられていない」ことです。
当然ながら、部下のスキルが足りないというケースも多くあります。しかし、部下のスキル不足を責めるよりも、依頼者である自分が「阿吽(あうん)の呼吸」を期待しすぎていなかったかと反省をする方が建設的です。
仕事上の付き合いが長く、また深くなるにつれて、上司と部下の間にはお互いに「こんな感じ」という仕事に関する共通認識ができていきます。信頼関係に基づいたコミュニケーションのやり方が確立されるわけです。
しかし、それがまだない状態で、曖昧な作業指示をしてしまうと、うまくいかないのも当たり前です。
そうした場合にお勧めしたいのは、「ワークシート」を活用することです。