マネジャーにとって重要なのは、チームとしての成果を上げることです。そのためには、部下に成果を出してもらわなくてはなりません。デキる上司こそ、部下に「うまく使われて」成果を高めているのです。(ギックス共同創業者 田中耕比古)
デキる上司は
部下の「駒」になる!?
部下やチームのメンバーにとって、上司は敬意をもって接するべき存在です。仕事上の指示を行い、成果を求めるために、時には厳しい指導を行うこともあるでしょう。そのため、怖い存在だと思われてしまったりもします。
一方、上司が求めるものは、成果です。いくら尊敬を集めても、部下が上司のことを恐れるあまり委縮してしまうと、仕事を進めるうえで支障が出る恐れがあります。上司は、チームとしての生産性を最大化することを目指すべきです。
そうしたときに活用できる考え方が、「部下に使われる存在」として自分を定義することです。
上司が部下を使うのではなく、部下に「駒」として使ってもらうことを目指すのです。
仕事の成果を出そうとするときに、非常に重要になってくるのが「主体性」です。
部下が主体的に考え、自律的に動いてくれれば、仕事は勝手に前に進んでいきます。もちろん、適切なコミュニケーションに基づく方向性の確認・すり合わせは必要ですが、指示待ち部下ばかりの組織よりも、主体性のある部下が多い組織の方が、生産性を高めやすいと言えます。
つまり、部下が「自分自身がリーダーだ」と認識し、仕事を「自分ごと」と捉えて率先して動いてくれることが理想です。
では、部下がリーダーだとすると、上司はどんな役割を担うべきでしょうか。その答えが、「駒」です。
説明するまでもないことですが、ここでいう「駒」は、将棋やチェスの用語です。
相手の王将やキングを取ることが勝利条件であるゲームにおいて、飛車や角、クイーンやルークなどは全て「勝利のためには、捨てて良い存在」です。
チーム戦における上司も、ある意味では、同じです。