「ひとりディズニー」に続いて、「ひとりUSJ」も流行っていることが分かりました。なぜ日本では、ひとりでテーマパークに行く人が増え、定着したのでしょうか。当事者のリアルな声を分析すると、値上がりし続ける入場料に対して、お得な年間パスポートがカギを握ることが分かりました。(明治大学経営学部兼任講師 中島 恵)

「ひとりUSJ」は流行っている!
ディズニーは廃止の「年パス」が味方

 2月のバレンタインデー前に、『「ひとりディズニー」は珍しくないのに「ひとりUSJ」が流行っていないワケ』『「ひとりディズニー」拡大にウォルト・ディズニーもびっくり?背景に潜む「2つの格差」』の記事を出したところ、たくさんの反響をもらいました。

「ひとりUSJ」が流行るワケ、ディズニーが廃止したお得な仕組みとはUSJ「ミニオン・パーク」の開業5周年イベント Photo:JIJI

 中でも驚いたのが、筆者のSNSアカウントに、「私はひとりでUSJに行っています」といったコメントが複数寄せられたことです。一例を紹介します(筆者要約)。

「1回あたり40分で帰るとか、ケーキだけ食べて帰る、ノープランで来て今日どうしようと思ってうろうろする、お目当てのショー・パレードだけ見る、など地域の『公園』のような使い方をしています」

 USJの1日入場券は現在1万900円(価格変動制の最高価格)で、5月から1万1900円(同)に1000円値上がりします。結構なお値段にもかかわらず、公園のような使い方ができるのは、年間パスポート(1年間有効な入場券)があるからです。

 東京ディズニーリゾートはコロナ禍で年間パスポートを廃止しましたが、USJは種類を絞って継続しています。年パスが、ひとり客の心強い味方になっているというのです。

 そこで、SNSの質問箱の機能を使って「ひとりUSJの楽しみ方」を募ったところ、複数の回答を得ました。保有する年パスの種類、どのくらいの頻度で行くのか、ひとりで何をして楽しむのか――興味深い情報がたくさん集まりました。

 本稿では、ひとりUSJの楽しみ方とコアなファンの実態を分析します。

 まず、年パスで通うヘビーリピーターは家や職場、学校とUSJが近いことが分かりました。まあ、これは想像に容易いです。一方で意外だったのは、若者よりも社会人の方が多い傾向がうかがえたこと。これは、年パスの価格設定が関係しているでしょう。