「学歴ロンダリング」と揶揄する悪しき文化

 ちなみに、大人になってから大学に入り直したり、大学院に通いはじめる人がいます。こういった大人は、ちゃんと学歴コンプレックスを克服しようと努力をしていてすばらしいと思います(もちろん普通に勉強がしたくて行く人も多いです)。

 こういった大人を「学歴ロンダリング」と揶揄する文化がありますが、「バカにするくらい悔しいなら自分も行けばいいのに」と、僕は思います。

 大人になってから学び直そうとしている人は社会のルールに則って、自分に向き合っているわけです。他人のことしか見えず、「学歴ロンダリング」と叫んでいる人とどちらが優秀な人材なのかは言うまでもありません。

 なお、ここで注意してほしいのは、学歴コンプレックスの解消方法は必ずしも「第一志望に入ること」だけではもちろんないということです。

 東大や京大、早慶といった名門大学ともなれば落ちる人のほうが多いわけです。でも世の中にはそれでも幸せに人生を送っている人がたくさんいます。その理由は希望が叶わずとも通った大学を楽しめたからです。

 これは言いかえれば、自分の進学先を「新しい正解」にできたということです。とてもすばらしいことだと思います。

 ただ、こういった幸せをつかむためには、そもそも大学受験で全力を出し切るという前提が必要です。「もうこれ以上は無理」と思えるほど、やり切ったからこそ、その先で選んだ道を正解にできるのでしょう。

「なんとなく進学」だけでは決して手に入れることのできない、本当の幸せです。

 ですから、受験生にはぜひ全力を尽くしてほしいと思っています。「大人になったら学歴なんか関係ない」という大人がいますが、そんなことはありません。

 自分で決めた目標に向かって努力を重ねた時間はかけがいのないものです。

 そんな血の滲む努力をして手に入れた大学生活や学歴がいらないものなわけありません。

 自分自身に向き合って、一歩ずつ成長していきましょう。

びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。