「大学受験」は10代における最大のイベントです。残念な側面でもありますが、いい大学にいけば、なりたい職業になれる確率は上がり、将来の選択肢は増えるのが現在の日本です。それほどまでに大学受験の持つインパクトは大きくなっています。そんな難しい時代でも「自分らしい大学進学」をするために書籍：『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』が発売されました。本書は、きれいごとを抜きにして、「大学受験とはどういうものなのか」「人生とはどういうものなのか」を考えることができる受験の決定版です。本記事では発刊を記念して本文の一部を抜粋・再編集してお届けします。

受験生Photo: Adobe Stock

学歴は必要か不要か

　受験生である皆さんは、将来どんな大人になりたいですか？

　将来の夢が明確に決まっている人もいれば、これからゆっくり考えていきたいという人もいると思います。

　どんな道も正解ですし、進み方も人それぞれですが、どの道を選ぶにしてもただ1つ共通していることがあります。それは、「学歴はあったほうが得」ということです。

　もっとはっきり言えば、学歴がない人は損をすることもあります。これは就職するときもそうですし、就職してからもです。研究の道に進むにしても同じです。

　この、人生を左右する真実を大人は絶対に教えてくれません。それは「学歴なんかに縛られてほしくない」という優しさからなのかもしれませんが、僕からすれば間違った優しさです。

　なぜなら、学歴の重要性に気づかないまま大人になったら困るのは皆さんだからです。きれいごとを言う大人はまったく困りません。

　では、具体的にどうして学歴が必要なのでしょうか。皆さんが大学に在学しているときからその瞬間は訪れますので、ここで紹介します。

　まだまだ就職が未来のことである皆さんに先にお伝えすると、就職には「学歴フィルター」というものが多少なりとも存在します。定期的にニュースにもなっているので、この言葉を知っている人もいると思います。

　もちろん、公には「東大しか必要ありません」「早稲田・慶應以下は数人でいいです」とはどの企業も口にしないですし、むしろ「個性を大事にしながら採用します」と宣言するでしょう。

　加えて、皆さんを採用する会社も、「いろんな個性の人を採用したい！」と本気で思っています。そこに嘘はありません。

　それにもかかわらず、どうして学歴フィルターが存在するのでしょうか。