社会で議論されている事柄の背景にあるものを知ろう
大人になってから、ネット等でこういった社会構造に異議を唱えようとしても、「じゃあ最初から勉強すればよかったんじゃない?」で終わってしまいますし、もっとひどい場合は「しょせん、低学歴の負け惜しみだよね」と一蹴されてしまいます。
ですから、仮に皆さんが「そんな世の中はおかしい!」と思って社会を変えようとしても、低学歴のままだったら誰も聞いてくれないわけで、結局は学歴が必要になるのです。
おそらく、皆さんがいい大学を出てから「学歴偏重問題」に一石を投じたとすれば多くの人が耳を傾けてくれると思います。
ただ、ここまでの世の中を見て、そういった人があまり出てきていないことを鑑みると、いい大学に進学するうちに「ある程度の学歴は必要だ」と誰もが気がついてしまうのかもしれません。
いずれにしても、このようにして一見個性を重んじているように見える平等な世の中は、実はまったく平等ではないのです。
就活でも「最近は筆記試験で判断しているから、学歴は関係なくなってきている」という主張もあるかと思いますが、そもそも高学歴な学生は過酷な競争を乗り越えてきているわけですから、筆記試験にも当然強いでしょう。そういった学生が就活の筆記で急に弱くなるなんてことはありません。
もし仮にこういった主張が正しいのであれば、大企業をはじめとする人気企業の採用大学はすでにもっとバラエティに富んでいるはずです。しかし、現状人気企業の新卒採用大学は東大・京大や早慶といった名門大学が毎年トップに君臨しています。
僕は学歴が人生を豊かにするための必須条件だとは思いません。ただ、「学歴は不必要だ」とも決して思いません。
ですから、皆さんにはどうして「このような学歴に関する議論が定期的になされるのか」。その背景をしっかり考えてみてほしいと思います。学歴論がなされるのにはそれなりの理由があるからです。
そういったことを理解したうえで、皆さんが学歴を手放す決断をするのであればかまいません。それぞれの価値観にあった人生を歩んでいってもらえればそれが一番です。
ただ、こういったことを知らずに、「学歴はいらない」というのであれば、一度立ち止まってみてください。
勢いだけで決断をして大人になってから後悔してほしくありません。ましてや歳を重ねてから他人の経歴にケチをつけるかたちで「学歴があっても意味がない」などと言う大人にはなってほしくないと思います。
世の中の大抵のことにはちゃんと意味があります。ちゃんとその意味を理解して、自分の頭で考えていってください。
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。
高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。