55歳になったらやっておきたい
「たった1つのこと」

「定年後の進路」について決めるのは、定年を迎える1年前でもよいのではないでしょうか。社会情勢や企業の業績により、再雇用の条件が変わることもあるからです。

 だからといって、それまで何もしなくていいというわけではありません。

 55歳になったら、65歳までの10年間に発生するお金の支出と収入を把握しましょう。

 役職定年という制度を導入している会社では、55歳以降、役職から外れることが多いです。また、役職定年制度がない会社でも、一部の例外を除き、55歳を超えてから昇進したり役員になったりすることはあまりないでしょう。つまり、55歳になったときには、定年時における会社の立ち位置や年収をおおよそ把握できるようになるのです。

支出を考えるときに
チェックしておきたい5つの費用

 お金の収支を把握するというと、面倒な作業が必要になると思うかもしれませんが、正確にだいたいで大丈夫。詳細な家計簿をつけなくても、毎月の支出額が分かれば、その金額に12(カ月分)と10(年)を乗じれば、10年間の支出の見込み額を算出できます。

 その上で以下の金額について確認しましょう。

(1)住宅ローンの残高はどのくらいあるのか?
(2)子どもの入学金などが発生する可能性はあるのか?
(3)車の買い替えにかかる費用
(4)住宅リフォーム(大規模修繕)にかかる費用
(5)親の介護にかかる費用

 多くの人が見落としがちなのは、(4)と(5)です。いずれも100万円を超える可能性があります。