和田秀樹「老後に楽しみをとっておくバカ」50代になったら捨てるべき口癖とは? まだ動ける50代のうちに動き出したほうがいい。10年もあれば、相当な準備ができるし、挑戦もできる。たとえばギターを弾いてみたかったら、今から始めよう。50歳の素人でも、60歳になるまでの10年練習すれば、相当なテクニックを手にできる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「好きなこと、やりたいことは、仕事人生が一段落してからゆっくり楽しもう!!」そんなふうに考えている人が少なくないのではないでしょうか。ですが、長年、高齢者の診療やウォッチャーを続け、10年以上、アンチエイジング医療に取り組んできた精神科医の和田秀樹さんは、50代こそ、自分がやりたいことを始めるべきといいます。和田秀樹さんの著書『老後に楽しみをとっておくバカ』(青春出版社)から、やりたいことをやりきる人生を送るための、刺激に満ちた新提案をご紹介します。

定年後では遅い!いまから始める脳の若返り

 若さを保つと言うと、運動とか、ダイエットとか、検査データを正常に保つとか考える人が多いでしょうが、それ以上に脳の若さを保つほうが、今後の幸せやおそらくは長生きにもつながります。

 脳の老化と言うと、記憶力の低下とか判断力の低下などをイメージされるかもしれませんが、それがはっきりと目立つようになるのは70代くらいからで、80歳になっても知能テストの点はそんなに落ちません。しかしながら、脳の中の前頭葉という部分がいちばん早く老化が始まり、50代にはその影響が目立ち始めます。その代表的なものが意欲の低下です。

 もう出世なんかしなくていい、今のままの暮らしで十分、若い頃のようにガツガツできない……という具合です。