60歳になった後、自分がどのように働いているか想像したことはありますか?60歳定年企業では、実に87%が定年後も継続雇用で働く傾向が見られます。60代に自分らしく働くためには、“50代でどのようにマインドチェンジするか”が大切になってきます。定年前後の働き方にまつわる情報を掲載する本連載。今回のテーマは「定年前に行うべき職業人生の意識改革とは?」です。(社会保険労務士 佐佐木由美子)
60代、定年後に多くの人が希望する働き方とは?
定年後、多くの人はどのような働き方を希望しているのでしょうか。60歳定年企業では、約87%が継続雇用で働く傾向がみられ、継続雇用を希望せずに退職する人は約13%となっています(図)。雇用形態としては正社員を望む声が多く聞かれますが、定年を迎えると嘱託や契約社員、パート・アルバイトで働く人が増えていきます。
65歳以後も働くことを希望する人の調査では、「現役時代と同じ会社(グループ含む)で正社員以外の雇用形態で働く」ことを希望する人が4割超とトップに。「会社をやめてフリーランスとして働く」ことを希望する人も1割強いますが、会社勤めが長い人にとって、グループ企業を含め同じ会社で働くというのは、現実的な選択肢として考えられています。
高齢者に労働ニーズがある業界や職種はありますが、そうした場合を除くと60歳以上で中途採用を募集する企業が多いとは言えません。会社に就業し続けられる制度があれば、それを利用して働き続けるというのは理にかなった選択と言えます。一方、現役時代に一定の専門スキルなどを武器に活躍していた人は、フリーランスや個人事業主として働く選択肢も十分に考えられます。将来、独立・起業を少しでも視野に入れるなら、準備は早めにしておくに越したことはありません。