中国語は英語の知識は活かせませんが、漢字の知識が活かせます。
私たちは小学校、中学校、高校で何百回も漢字のテストを受けてきています。成人後も新聞や雑誌、書籍を読んでいるので漢字の知識は増えています。その知識を、中国語を学ぶときにフルに使えるのです。
たとえば日本語の「猫」は中国語でも「猫」ですが、スペイン語で猫は「gato」です。スペイン人から比べれば、日本人は圧倒的なアドバンテージがあるとわかるでしょう。
また「パンダ」は中国語では「猫熊」(熊猫とも表記する)で、「猫のような熊」と一瞬で覚えられます。一方、非漢字圏の人には、一瞬で「猫熊」を覚える芸当はまず不可能でしょう。それくらい私たちは、中国語へのアドバンテージがあるのです。これを利用しない手はありません。
挑戦すると、脳が活性化する
私は50歳まで、英語以外を学ぶ意義がわからず、英語一本主義でした。
しかし今は考えが変わりました。理由の一つは、英語が上級レベルに達したら、英語の文法がすでに脳になじんでいるので、学習を続けても脳トレ効果があまり期待できなくなるためです。
脳内科医の加藤俊徳氏は、「日常的によく使う脳番地は神経細胞同士のネットワークが強く結びついていて発達(高速道路化)している」と述べています(参考文献:加藤俊徳『一生頭がよくなり続けるすごい脳の使い方』サンマーク出版)。
英語が上級レベルに達した人は、英語の情報処理能力が高速道路化したようなものです。一般の人から見ればすごいことでしょうが、高速道路化した人が高速道路を走っても、脳トレの効果はあまり期待できません。彼らにとっては「たやすいこと」だからです。
脳トレの効果を期待するなら、慣れないことにチャレンジしたほうが効果的です。
そういった観点からも、英語が上級レベルに達したあかつきには、英語以外の学習を勧めたいのです。
学習の初期は「読む」「聴く」に専念する
新しい言語を始めるとき、スピーキング、リスニング、ライティング、リーディングの4つを同時に学ぶほうがいいか? それとも、1~2つに絞るほうがいいか?
この点を考える前に、まず、英語や第二外国語について考えてみましょう。