「大学受験」は10代における最大のイベントです。残念な側面でもありますが、いい大学にいけば、なりたい職業になれる確率は上がり、将来の選択肢は増えるのが現在の日本です。それほどまでに大学受験の持つインパクトは大きくなっています。そんな難しい時代でも「自分らしい大学進学」をするために書籍:『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』が発売されました。本書は、きれいごとを抜きにして、「大学受験とはどういうものなのか」「人生とはどういうものなのか」を考えることができる受験の決定版です。本記事では発刊を記念して本文の一部を抜粋・再編集してお届けします。

高校生Photo: Adobe Stock

世の中に大量発生する「学歴ゾンビ」

 僕はこれまで学歴の重要性を語ってきましたが、一方で皆さんには学歴にのまれてほしくありません。学歴はあくまで武器(装飾品)であって、主従関係で言うと、皆さんが主で、学歴は従です。

 僕はYouTubeで学歴を扱ったコンテンツを発信してきたなかで、学歴に取り憑かれてしまった『学歴ゾンビ』をたくさん見てきました。

・学歴がすべてだと思い込んで、ほかのことに目を向けない人
・いつまでも学歴コンプレックスを克服できずに、他人に悪態をつく人
・学歴はいらないと開き直って必要以上に強がってしまう人

 これらはすべて学歴ゾンビです。もはや学歴なしには自分を表現できなくなっています。皆さんにはこうはなってほしくありません。

 受験生のうちから学歴の意識が強くなりすぎると、大学入学後に大変痛い目に遭うので注意が必要です。

 どういうことかと言うと、大学受験で燃え尽きてしまうと、大学合格がゴールになってしまい、第一志望に入ろうがなにをしようが、人は急にやる気を失ってしまいます。

 加えて、大学受験をやり切ったがゆえに、「自分は頭がいい」とまわりを見下してしまうと、もうあと戻りはできません。

 最悪の場合、「俺は〇〇大学に余裕で受かるほど頭がいいから、むしろ大学なんて行かなくてもいい」と、なぞの理由で大学を辞めてしまうケースもあります。こういった事態は避けましょう。

 残念ながら、大学の学士号は卒業をしてはじめて与えられるものです。大学を卒業しなければ、ステータス上は「受かっても行かなかった」と同じになってしまいますし、せっかくの努力の成果が水の泡となってしまいます。

 大事なことなのでもう一度言いますが、大学は卒業してはじめて皆さんの武器となる「学歴」になります。くれぐれも大学合格を最終ゴールにしないようにしてください。

 東大・京大であれ、早慶であれ、MARCHであれ、皆さんは努力をしたから大学に進学することができたはずです。それはたしかにすばらしいことですが、そこが人生のゴールではないでしょう。

 自分の手で掴み取った「大学合格」という自信を武器に、さらに学びを重ねて、さらなる高みへと挑戦していきましょう。

 なお、「大学合格」にいつまでも満足してしまうと皆さんのアドバンテージはあっという間になくなっていきますので、今からそれを見ていきましょう。