役職をはく奪されヒラ社員に
配置転換の上、懲戒解雇も

【ケース7】千葉県がんセンター(2010年)

 麻酔研修が厚生労働省のガイドライン通りに実施されていないことに疑念を抱いた技師が、医療事故をきっかけに直属の上司を飛び越えてセンター長に通報。しかし訴えはまったく無視され、しかもこれまでの麻酔業務を外されて、遠隔地の病院への配転を命じられ、退職するに至りました。

【ケース8】オリンパス(2013年)

 上司の違法行為を内部通報したため報復人事を受けた日本人が、会社に配転無効を訴えた裁判で会社側が敗訴。しかし、その後も告発者は報復を受け続け、チームリーダーの役職をはく奪され、ヒラ社員に降格となりました。

【ケース9】大王製紙(2013年)

 業績見通しに嘘があると従業員が上司に報告したものの、無視されたので金融庁に内部告発。しかし配置転換の上、懲戒解雇の憂き目に遭いました。

【ケース10】トヨタ自動車(2014年)

 告発者は、自身が職場で負った怪我に対する会社の「労災隠し」に憤慨して、実名で告発。上司は労災申請を外すよう「注意書」まで出し、懲戒処分をチラつかせました。しかし豊田労基署は、会社に「労働安全衛生違反報告書」を提出。労災支給が決定し、トヨタは告発者に傷病見舞金も贈りました。

【ケース11】和歌山県の老人施設(2015年)

 職員による患者への暴力沙汰があり、7人が一緒に告発しましたが、理事長は逆に首謀者を解雇しました。

【ケース12】オリンパス(2018年)

 中国法人が中国で贈賄の疑いがある金銭支払いを行ったとして、同法人の法務本部長が調査を求めたところ、突然東京に新設された部署への異動が内示されました。

【ケース13】宮城県の食品加工業者  

 タラバガニの賞味期限など食品偽装を告発。保険所に証拠を提出したものの、4カ月後に立入検査に来た保険所は「不正なし」と結論付けました。その後、犯人捜しと嫌がらせが始まりました。しかし地元紙の記者が「検査官は内部調査を1分しかしなかった」と県の食品担当課に通報。一転して偽装が認められ、会社側の不正が明らかになりました。