ずば抜けて実務能力が高くなくても人より成果を上げられる人は何が違うのか。
今、ビジネスパーソンから経営者まで数多くの相談を受けている“悩み「解消」のスペシャリスト”、北の達人コーポレーション・木下勝寿社長の『「悩まない人」の考え方』と『時間最短化、成果最大化の法則』がベストセラーとなっている。
木下氏は「私は実務能力がずば抜けて高いわけでない。だが①悩んでいる時間の短さと②タスク管理能力の高さだけは突出しているかもしれない」という。①と②にそれぞれ対応したのが上記2冊。そこで「ここ20年以上悩んでいない」という著者を直撃。今回は「圧倒的に無能な管理職の特徴」だ。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

【一発アウト】部下から「無能中の無能」と陰で言われる上司の絶対NG行動Photo: Adobe Stock

管理職の「絶対NG行動」

 部下から「あいつは無能中の無能上司」と言われる絶対NG行動がある。
 管理職になった瞬間、偉そうにふんぞりかえり、命令調で振る舞うことだ。

 人間とは不思議なものだ。
 管理職になった途端、多くの人は「自分は偉くなった」と思ってしまう。

 多くの人が誤解している。
 多くの人は管理職の仕事を「メンバーのモチベーション管理」だと思っている。

 だが、管理職の本当の仕事は「メンバーの仕事(タスク)の管理」だ。
 タスク管理をしっかりやることで一人では出せない成果をチームで出せるようになる。

 では、タスク管理とは何だろう。
 2つある。

 1. 裏方仕事に徹し、メンバーをサポートすること
 2. 決して偉そうにしないこと

 この2つを愚直にやっていけば、1年後、立派な管理職になれるだろう。

「後天的リーダー」の特徴

 ぜひ覚えておきたいのは、「先天的リーダーではなく後天的リーダーになろう」ということだ。

「後天的リーダー」とは俺についてこいタイプではないチームの縁の下の力持ち的存在だ。
「後天的リーダー」はメンバーが嫌がる仕事を率先して行い、チームの全責任を負う。

 このような泥臭い裏方的なポジションこそ、どの会社にとっても生命線なのだということを肝に銘じておこう。

管理職が「短所」を潰しておかないといけない理由

 また、管理職は自らの悪いところ(短所)を少しでも潰しておきたい。
 私はこのエピソードを話すとき、人の能力を「六角形化」したA~Fのレーダーチャートを使う。

 人によっていろいろな能力があるが、管理職はA~Fの6つの能力をすべてバランスよく高めていくことが重要だ。

 たとえば、六角形の「A、B、C、D、E」の能力がオール5だが、「F」の能力だけが「1」と極端に欠落している場合、部下は「F」の能力に合わせて成長していく。

 こうなると、チーム全体の能力が低くなり、チームパフォーマンス最大化の大きな妨げとなる。

 だからこそ、管理職は悪いところを潰さないといけないのだ。

管理職に抜擢すると痛い目に遭う「絶対NG人材」

 また、管理職には人格面で問題のある人を抜擢してはならない。
 管理職の絶対NG人材は、①ミスしても謝らない、②ミスをバレないようにする、③ごまかす・ウソをつくなどだ。

 役職が上がったからといって、メンバーへの態度が変わってはいけない。
 昇進・昇格したからこそ、裏方仕事をしっかりやることが大切だ。

 そういう仕組みがある会社は、管理職の仕事へ向かう姿勢が他社とまったく違う。会社に入った途端、不思議と「謙虚な空気感」が漂ってくるのだ。

 管理職は会社の顔。チームメンバーが活性化するか否かは管理職次第だ。
 管理職は「人間として正しい行いをしているか」を今一度確かめてほしい。

(本稿は『「悩まない人」の考え方──1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』の著者による書き下ろし記事です。)