「この本のおかげで出世できた!」「チームのパフォーマンスが上がった?」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』シリーズ三部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。
今回は、全ビジネスパーソンに必須の「意思決定」のあり方を指南する、シリーズ最新刊『パーフェクトな意思決定 「決める瞬間」の思考法』の中から、特別に本書のエッセンスを解説する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

誰かに決めてもらった人生
子どもの頃は、親になんでも決めてもらえます。
「ごはんは何を食べるか」
「服は何を着るか」
「どこに住むか」……
あるいは、教師や友達の言うとおりにして決めることもできる。
「進学か、就職か」
「文系か、理系か」
「国公立か、私立か」
「実家暮らしか、一人暮らしか」……
なぜ決めたのかと言われたら、
「まわりに合わせて、なんとなく」
としか言いようがない。
そんな生き方をしてきたかもしれません。
その惰性による選択に向き合いしょう。
「なんとなく大企業」という自分
私自身、最初の就職活動はそうでした。
大学でラグビー部に入り、まわりに合わせて大企業を中心に就職活動をし、内定が出た会社に入りました。
誰もが知っている大企業だったので、親も友達も喜んでくれました。
1年目、2年目、3年目と順調に仕事をこなしていました。
決定的な不満はなく、楽しく働いていたと思います。
ただ、4年目にふと気づきました。
「このままでいいのか? いや、このままじゃ自分がダメになる!」
そして、辞める決意をしました。
安定して働くことより、もっと早く成長することを選んだのです。
まわりからは、もちろん反対されました。
「せっかく大企業に入ったのにもったいない!」
「せめて30歳までは辞めないでいたら?」
そう思う気持ちはわかります。
私も、もし友達に同じことを言われたら、反対していたかもしれません。
しかし、自分で決めたから、その意見はスルーしました。
それが、社会人になってから、間違いなく初めて、ハッキリと「意思」を持った瞬間でした。
「大きな責任」を求めて
2社目に選んだ会社は、大企業ではありません。
そこでは、実績に応じて、どんどん大抜擢の人事をおこなってくれたのです。
おかげで、30歳を前にして、社内のナンバー3の立場にまで上り詰めました。
その年齢で経営者に限りなく近いところで働くことができた。
その経験は大きかった。
ただ、それでも満たされない思いは出てきます。
「やっぱりトップじゃないと決められないことがある」
そのことに気づいてしまいました。
もっと大きな責任を負って、大きな仕事をしたい。
その思いに気づくことができました。
その後、独立し、株式会社識学を起業することになります。
思い返せば、私の場合は、大学選びやラグビー部に入ったことは、自分自身で決めたことでした。
だから、後悔がまったくありません。
じゃあ、うまくいったかというと、そうではない。
正直、ラグビーに関しては、上には上がいてレギュラーにはなれませんでした。
つまり、「失敗」をしたわけです。
そこだけを切り取れば、「体育会系の部活に入らないほうがよかったんじゃない?」と思うかもしれません。
しかし、自分で決めたのだから、「反省」や「修正」をすることができます。
そこでの気づきは、
「自分で自分に努力の限界を決めてしまっていた」
という失敗でした。
「これ以上は頑張れない」という壁を、自分で勝手につくってしまっていたんですよね。
その気づきは、今では財産です。
(本稿は、『パーフェクトな意思決定』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計150万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。