インテル新CEO、時間との闘いPhoto:Eric Alonso/gettyimages

 新しい仕事に就いて2週間というのは、確かに十分な時間ではない。だが、リップブー・タン氏には時間の猶予があまりない。

 タン氏は3月18日、名声はあるが苦境にあえぐ米半導体大手インテルの最高経営責任者(CEO)に就任し、同社のビジョンを少しずつ示し始めている。27日に年次報告書とともに提出された株主向けの書簡では、人工知能(AI)関連の重要市場でインテル製品の競争力を高めるためには「さらなる努力が必要」と述べた。また、ファウンドリー(受託製造)事業の拡大にも「同様に注力している」とした。

 つまり、インテルの前CEOが達成しようとしていたことと同じだ。タン氏は31日に開催されたイベント「インテル・ビジョン」の基調講演でも改めて同じことを話した。AI戦略の強化や特定のコンピューティング作業向けのカスタムチップへの取り組みといったいくつかの抱負を除けば、タン氏の戦略は前任者のものとほとんど区別がつかなかった。人型ロボットに関するインテルの計画については、「乞うご期待」と聴衆に語った。

 在任期間が短いということは、タン氏はもっと大きな変化を念頭に置いている可能性があるということでもある。だが、インテルには同じことを繰り返すという選択肢はないだろう。

 タン氏の前任者、パット・ゲルシンガー氏は事実上の解任だった。それまでの数年間、インテルの半導体設計を改善し、製造プロセスを台湾積体電路製造(TSMC)と同等レベルに引き上げるという野心的な取り組みを行っていた。