大規模な選挙不正、メッセンジャーアプリの検閲も
~混乱が続く韓国

 尹錫悦大統領は非常戒厳の理由として、選挙不正疑惑、民主党の弾劾乱発、無理な予算削減などを挙げている。就任初期から民主党による「反対のための反対」に直面し、公約として掲げた女性家族部の廃止や軍将兵処遇改善なども実現できない状況が続いたため、大統領権限である非常戒厳宣言に踏み切ったのでは、という見方が強まっている。

 選挙不正問題も注目されている。韓国では数年前から選挙不正に関する疑惑が指摘されてきた。選挙そのものの不正も噂されているが、それ以外にも、採用に関して大がかりな不正があったことが明らかになっている。

 1200件以上の採用不正に関わったとされる選挙管理委員会は、監査・監視を受けない「絶対権力機関」となっており、けん制すべき最高裁判所も特定勢力の影響下にあるという指摘がある。民主主義国家では、あらゆる疑惑に対して透明な検証システムを整えるべきだが、韓国の選挙管理委員会は「不正選挙はない」という立場を堅持してきた。しかし現在判明しているだけで878件の不正採用(利権斡旋就職)が明らかになっている。採用だけでなく、投票用紙問題、記票所CCTV問題、電子計票ミス、選管サーバーハッキングなど、重要事案については十分な説明がなされていない現状がある。

 こうした事態に、あちこちから選挙不正への懸念が高まっているが、民主党はこうした声に対して告訴で対抗し、偽ニュース根絶を理由に「民主派出所」という独自の情報提供サイトを運営している。

 さらに民主党は、尹大統領の支持率が上がってくると、与党の支持率が急増し、野党(民主党)の支持率が急落したのはフェイクニュースのせいだとして、40%以上の支持率だと発表した世論調査団体を告発。さらに、虚偽情報の流布やフェイクニュースを取り締まるためという名目で、「カカオトーク」の検閲も始まった。カカオトークは韓国人の8割以上が使っているメッセンジャーアプリだが、運営するカカオもまた左派勢力との関係が深く、文在寅(ムン・ジェイン)が大統領だった時代からさまざまな恩恵を受けてきた企業だ。

 残念ながらこれは初めてではなく、韓国では2014年にも、カカオトークなどメッセンジャーの検閲やLINEの傍受が行われ、大きな問題になっていた。

 これほどまでに、国家・司法・メディアに対して左派勢力の影響が強いのが韓国という国なのだ。本当に個人のプライバシー権を保障する民主主義国家なのだろうか……。韓国における民主主義とは、そして大統領の弾劾反対とは、「左派・共産思想との戦い」だと私は思っている。