ダイヤモンド・ザイは2025年5月号で創刊25年を迎えたが、この25年の間には相場の大暴落が何度もあった。今回は、そんな大暴落を乗り越えて値上がりしてきた“長寿投信”に着目。ザイが集計した長寿かつ好成績の投信ランキングで4~8位に輝いた商品を紹介するので、投資の参考にしてほしい!(取材・文/ダイヤモンド・ザイ編集部)
時代が変化しても好成績を出し続けてきた投信は強い!
インデックス投信の積立と組み合わせて持つのもおすすめ
投資信託というと、さまざまな指数(インデックス)に連動するインデックス型を思い浮かべる人が多そうだが、指数を上回るパフォーマンスを目指すアクティブ型の投信にも、優れモノは多い。
なかでもおすすめなのが、長寿かつ好成績な投信だ。日本には投信が5000本以上あるが、設定から25年以上経過しているものは308本しかない(全体の約6%)。数が少ないのは、生き残ることが難しいからだ。あまり知られていないかもしれないが、環境の変化で想定した運用が困難になったり、成績悪化で解約が重なったりした結果、繰上償還――すなわち運用を停止して、消滅するアクティブ型投信は多い。
振り返れば度重なる暴落、天災や疫病など、この25年だけでも多くの試練があった。さらに、例えば「携帯電話からスマホ」や「中国の躍進」など、株価に影響を与える技術や経済の大変革もたびたび起きた。そんな中を生き残ってきた長寿かつ好成績のアクティブ型投信は、それだけで評価に値するとも言える。
30年以上にわたって投信を分析してきたファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦さんは、長寿かつ好成績のアクティブ型投信について「数々の波乱や変化に対応して銘柄を選別、入れ替えて好成績を残してきたのは、運用上手である何よりの証拠。今後も波乱を克服し、変化に対応して好成績を残すことが期待できます」と評価する。
ただし、長寿のアクティブ型投信がすべて好成績というわけでもなく、成績がTOPIXなどの指数を下回っているダメ投信もあるので、パフォーマンスをチェックすることは大事だ。
長寿のアクティブ型投信には、ほかにもメリットがある。まず、値動きの予想がしやすい点。長期の運用記録があると、その投信のクセも分析しやすい。例えば「過去のバリュー相場では指数より上昇した」とわかれば、バリュー相場で買い増しをしたり、利食い売りをしたりしてチャンスを増やすことができる。
さらに、アクティブ型投信はインデックス型との分散にも最適だ。インデックス型だと平均の成績は得られるが、市場が低迷すると成績も低迷する。長寿かつ好成績のアクティブ型投信を買えば、市場の低迷で共倒れするリスクを分散できる。
NISAのつみたて投資枠でインデックス型投信を積み立てている人は多いだろうが、アクティブ型投信が買えるのはNISAの成長投資枠だ。つみたて投資枠で堅実なインデックス型を少しずつ積み立て、成長投資枠で数倍の大化けも狙えるアクティブ型投信を買うスタイルが理想的だ。
「特に、長寿かつ好成績のアクティブ型投信が多いのは、日本株を投資対象とするタイプ。すでに海外株型のインデックス型投信を買っている人は多いですが、それと組み合わせて好成績な日本株型の長寿投信に分散投資をするのがおすすめです」