ドナルド・トランプ米大統領が中国製品に高関税を課したことで、貿易を巡ってすでに圧力を受けている世界経済がさらなる問題に直面する可能性がある。4000億ドル(約58兆円)相当の中国製品が代替市場を求めて世界中にあふれるという問題だ。米国の消費者と企業は2日、中国からの輸入品にかかる関税が9日から平均約70%になると告げられた。トランプ氏が「解放の日」の貿易攻勢の一環で、中国に厳しい追加関税を課したためだ。米国では家電製品からおもちゃ、機械、製造業に欠かせない部品に至るまでさまざまなモノの価格が上昇するだろう。関税の壁が高くなれば、すでに中国製品であふれている世界市場に、従来は米国向けだった輸出品の一部が流入する可能性がある。そうなれば、各国が反発している「中国ショック」が激化する恐れがあるとエコノミストは指摘する。米国が輸入を減らせば、ベトナムや韓国、日本なども輸出先を変更せざるを得なくなり、輸出障壁の高まりに直面する可能性がある。
トランプ関税で行き場を探す中国製品
各国は安価な中国製品の流入増に身構える
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