景気が悪化すれば、人々はクローゼットの中から何を選ぶだろうか。たいていは、地味で保守的な服だろう。高級ブランドは独創性に力を入れることで販売不振の長期化から抜け出すことを狙っていたが、ドナルド・トランプ米大統領に大きく足を引っ張られることになった。ホワイトハウスが仕掛けた関税戦争によって、2025年に世界的なリセッション(景気後退)が起きる確率は60%に上昇したとJPモルガンはみている。景気が悪化すれば人々の間で富をひけらかすことへの抑制が働き、控えめなデザインの方が売れ行きが良くなることが多い。派手なファッションは景気が回復して初めて売れるようになる。これは高級ブランドにとって頭痛の種となる。ファッション業界では2019年以降、高品質だが地味な服に消費者が大金を使う「静かなぜいたく」が広がってきた。
貿易戦争下でも売れる高級ブランドは?
景気悪化も予想される中で高級ブランドはデザイン戦略のジレンマを抱える
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