仕事や家庭で嫌なことがあると、ずっと気分悪いまま過ごしてしまう。そんな人におすすめなのが『瞬間ストレスリセット――科学的に「脳がラクになる」75の方法』(ジェニファー・L・タイツ著、久山葉子訳)だ。本書はストレスを抱えやすい人のために、ごく短時間で不安・不満を解消する方法、自分をリセットして気持ちよく過ごせる方法を多数紹介している。ベストセラー『エッセンシャル思考』の著者グレッグ・マキューンも「この本は、人生の本質的でない混乱から抜け出したいと願うすべての人にとって、必読の救いの書である」と絶賛。今回は発売を記念して、特別に本書の内容を一部抜粋、再編集してお届けする。

嫌な気分のときでも、一瞬でポジティブな気分になれる「すごい方法」とは?Photo: Adobe Stock

「口角を少し上げる」だけでいい

ここで紹介する「ハーフスマイル」は、私をふくめてセラピストの多くが実践しているテクニックだ。

この方法は、顔の状態が感情に影響を与えるという「表情フィードバック仮説」に基づいている。口角を少し上げるだけで、気分が改善されるきっかけになるのだ。

スタンフォード大学の研究でも効果が実証

スタンフォード大学のニコラス・コールズ博士が主導し、19カ国3800人を対象にした研究でも、「幸せそうな表情」をつくった人は「ポジティブな感情」をより強く頻繁に感じるようになった、という結果が出ている。

他人を喜ばせるためではなく、自分のためにやる

ハーフスマイルといっても自分を騙して笑顔になるわけではない。あくまで自分のためであって、周りに愛想を振りまくためでもない。

次の方法をぜひ試してみてほしい。

1 顔、首、肩をリラックスさせる。眉間からも力を抜き、目の周りを柔らかくするイメージだ。

2 口角を少しだけ上げてハーフスマイルをつくる(実際には4分の1スマイルくらい)。これにより額や顎の緊張もゆるむ。「はい、チーズ」と写真を撮られるときのような固い表情ではなく、穏やかな顔をする。

3 鏡で自分の表情をチェックしてみよう。目がやさしく微笑んでいれば合格だ。

4 乗り物の中やひとりでパーティー会場に入るときなど、緊張しそうなときにハーフスマイルを練習しよう。

長年孤独だった80代のクライアントの驚きの変化

ある80代のクライアントは、長年「孤独」に悩んでいた。

しかし、ハーフスマイルを始めてあっという間に「人生の質」が上がったことに驚いていた。

ニューヨーク市で何十年も同じアパートに住んでいるが、何年も顔見知りで話したことのなかった隣人たちと交流を持てるようになったという。

『瞬間ストレスリセット』では、科学的に短時間でストレスを解消できる方法を多数紹介。その場しのぎではなく、ストレスに強くなるための習慣や対策(ストレス耐性を高める方法)も幅広く取り上げています。