がんばっているのにうまくいかない。なぜか調子が上がらず、他人に対する嫉妬で頭がいっぱい。そんな人におすすめなのが『瞬間ストレスリセット――科学的に「脳がラクになる」75の方法』(ジェニファー・L・タイツ著、久山葉子訳)だ。本書はストレスを抱えやすい人のために、科学的に実証された不安・不満を解消する方法、自分をリセットして気持ちよく過ごせる方法を多数紹介している。ベストセラー『エッセンシャル思考』の著者グレッグ・マキューンも「この本は、人生の本質的でない混乱から抜け出したいと願うすべての人にとって、必読の救いの書である」と絶賛。今回は発売を記念して、特別に本書の内容を一部抜粋、再編集してお届けする。

他人の成功を自分のことのように喜ぶ
ダライ・ラマの言葉に次のようなものがある。
「他人の幸福によって、自分の幸福を育むことは、理にかなっている。そうすれば、自分自身の幸福の可能性を60億倍にできるから」
聖書の「あなたの隣人をあなた自身のように愛しなさい」という教えのように、仏教では四無量心のうち「喜」が相手の幸せを純粋に心から喜ぶことだとされている。
これは、「この世は競争だ」というストレスフルな思い込みを手放すのにも役立つ。
嫉妬や孤独感が軽減
私たちは日常的に、SNSで完璧に演出された他人の生活を目にしているが、「自分は不運だ」という気持ちに打ち勝てば、他人のために幸せを感じられるようになり、嫉妬や孤独感が軽減される。
人は皆つながっている―と、共感的喜びを長年教えているマインドフルネスの教師で作家のシャロン・サルツバーグも説明している。
誰にどんな幸せがふさわしいかという考えに執着したり、憤りの気持ちに浸ったりするよりも、「自分の時間をどのように使いたいか」にフォーカスするほうが理にかなっているのだ。
サルツバーグは移民の祖父母に育てられ、若い頃は両親のいる友人の中で疎外感を感じていた。
「しかし共感的な喜びによって、誰もが弱さを持っていることに気づきました。完璧な人生を送っている人などいない。ましてや永遠に完璧だということはないのです」
「他人が成功したら、自分の運が減る」という思い込みを手放す
他人の幸せを喜べなければ、自分の人生にも満足できない。
周りの人のために幸せを感じるには、まず「他人が成功したら、そのぶん自分の運が減る」というようなネガティブな思い込みにとらわれていないか自問してみよう(幸せは数にかぎりがある商品ではない)。
また、自分が嫉妬している相手はきっと幸せに暮らしているはず、などと勝手なストーリーをつくっていないかどうかも確認しよう。
幸運を引き寄せる3つの行動
最近うまくいかなくて悩んでいる人は、ぜひ次の方法を試してみてほしい。
▼友人に良い知らせが届いたら、心から祝う気持ちや行動を大切にしよう。LinkedInで親指を立てるよりも、個人的にメッセージやカードを送ろう。まずは親しい友人から始め、範囲を広げていく。
▼会ったときに良い知らせをシェアしてくれた人がいたら、「おめでとう」と他人行儀に生ぬるく返すのではなく、エネルギーと熱意を高めて祝福する。言葉でもボディランゲージでもいいので、「わあ、本当によかったね! やっぱりあなたしかいない!」など。
▼本書156ページの「慈愛の瞑想」(他人や自分に対して幸せを祈る)を終えたあとに、相手を鮮明にイメージしながら「あなたがもっと幸せになりますように」と繰り返す。意識がそれてもイメージに戻るようにする。何日か同じ相手で練習してから、別の人でもやってみよう。
※『瞬間ストレスリセット』では、科学的に短時間でストレスを解消できる方法を多数紹介。その場しのぎではなく、ストレスに強くなるための習慣や対策(ストレス耐性を高める方法)も幅広く取り上げています。