小さな会社や個人商店が今すぐ売上をあげようと思った時、どの販促ツールから作ればいいのか?「A4」1枚チラシで今すぐ売上をあげるすごい方法「マンダラ広告作成法」で売れるコピー・広告が1時間でつくれる!(ダイヤモンド社刊)では、販促コンサルタントの岡本達彦氏が、今すぐ売上をあげるために必要な「A4」1枚チラシを誰でもつくれる「マンダラ広告作成法」という新しい販促手法を紹介。小さな会社が、今すぐ売上をあげられるすごい方法がわかると好評です。この連載では、全10回にわたり書き下ろしの記事を公開します。

「お客様目線に立つ」の本当の意味とは?―「お客様の気持ちになれ」と言われても難しい、を解決する考え方Photo: Adobe Stock

「お客様目線」で考えるとは?

 販促コンサルタントの岡本達彦です。

「もっとお客様目線で考えて」
「お客様の立場になってみてよ」

 広告や販促の現場で、何度も言われるフレーズです。

 でもこの言葉、わかったようで、実はよくわからないと思いませんか? 

 どんなに商品に詳しくても、どんなに自信があっても、「お客様の気持ち」は簡単に想像できるものではありません。なぜなら、買う側と売る側の前提がまるで違うからです。

なぜ「お客様の気持ち」がわからなくなるのか?

 それは、私たち自身が売る立場の思考に染まりすぎているからです。たとえば、あなたが整体院を経営していたとして、こう思うでしょう。

「うちは腕も確かだし、駅からも近い。価格だって良心的だし、予約も取りやすい。なぜ来ないのか不思議だ」

 でも、お客様の頭の中はこうです。

整体って、本当に効果あるの?」
「一度行ったら何回も通わされるんじゃ…」
「痛そう、怖そう、どう話せばいいか不安」
「そもそも、自分の腰痛に合うのかすらわからない」

 この見えない不安を想像できるかどうかが、「お客様目線」の本質です。

「お客様目線に立つ」とは、感情を想像すること

 つまり、お客様目線とは、「機能を見るのではなく、感情を想像する力」

 以下のように言い換えると、ぐっと実感が湧きます。

<商品の視点> 【お客様目線での感情】
<無添加のお弁当> 「子どもに安心して食べさせたい」

<高反発マットレス> 「朝起きた時に腰がラクになって笑顔が増える」

「スペック」や「価格」を伝えるだけでは動かない時代。買ったあとにどうなるかという気持ちの変化を、言葉で見せられるかがカギです。

共感を生む「3つの想像ポイント」

 お客様目線を磨くには、以下の3点を想像してみてください。

①「購入前の迷い」を思い出させる
→ 例:「買う前にどんな不安があるか?」

失敗したらどうしよう
・店員さんにしつこくされそう
・自分に合ってなかったらどうする?

 これらを予測して、先回りして解決策を広告に入れると反応率が一気に変わります。

②「使う瞬間のシーン」を描く
→ 例:「買ったあと、どうなるか?」

友人に「最近キレイになったね」と言われる
・自宅でホッと一息つける時間が増える
・親から「ありがとう」と言われる

 情景が浮かぶコピーは、お客様の脳内でシミュレーションされ、「自分ごと化」されます。

③「悩みを抱えている今この瞬間」を代弁する
→ 例:「お客様の心の声をそのまま書く」

「このままずっと疲れたままなのか…」
・「また今月も売上が足りない」
・「こんなこと、誰に相談すればいいかわからない」

 広告の冒頭にこうした言葉が入っているだけで、「この広告、私のためのものかも」と感じてもらえる確率が上がります。

言葉は「刺さる」のではなく、
「寄り添う」と響く

「売れる言葉」を考えるとき、鋭く尖った言葉やインパクト重視のコピーを考えてしまいがちですが、今の時代、本当に響くのは、寄り添う言葉です。

私の気持ち、わかってくれてる」
「この人、信用できそう」

 そう思ってもらえるかどうかで、その後の反応が大きく変わるのです。

「お客様の感情を言葉にできる力」こそが、
最強の武器になる

 商品の価値を磨くのは当然ですが、それをどう伝えるかによって、売上も信頼もまったく変わります。そのためには、スペックを語るのではなく、感情を想像する技術を磨くこと。

 そしてその力は、決してセンスではなく、「型」と「問い」で誰でも身につけることができます。

 この連載では、引き続き「どうすれば、広告の素人でも売れるチラシが作れるのか?」をテーマに、具体的な考え方・作り方を紹介していきます。

岡本達彦(おかもと・たつひこ)
株式会社アカウント・プラニング代表取締役
販促コンサルタント
広告制作会社時代に100億円を超える販促展開を見て培った成功体験をベースに、難しいマーケティングや心理学を勉強しなくてもアンケートから売れる広告を作る広告作成手法を日本で初めて体系化する。業界を問わず、お金をかけないで簡単にでき、即効性もあることから、全国の公的機関、経済団体、フランチャイズ本部からセミナー依頼が急増し、社内に仕組みとして取り入れたいという会社からのコンサルティング依頼は後を絶たない。著書にアマゾン上陸15年「売れたビジネス書50冊」にランクインし、販促書籍のベストセラーとなった『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法 チラシ・DM・ホームページがスゴ腕営業マンに変わる! 』(ダイヤモンド社)などがある。