新しく設定されたテーマ
「エンターテインメント/体験型消費」ってどんなもの?

――投資テーマそのものが新設されたり、なくなったりすることもあるのでしょうか。

斎藤 はい、あります。最近新しく設定したテーマに「エンターテインメント/体験型消費」があります。これは、人々の消費がモノの所有から、体験や時間消費にシフトしているという、大きなトレンドに対応したものです。具体的には、旅行、クルーズ、ライブイベントなどの需要が拡大しています。料理宅配サービスのウーバーもこの流れに乗る企業の一つです。このようなトレンドにうまく適応している企業は、高い成長率が期待できると考えています。

 このテーマで過去に投資したアシックスは、世界的なランニングブームの追い風を受けて株価が大きく上昇しました。

――新テーマは、担当者の勘や主観で設定されるのですか。

斎藤 いいえ、決してそうではありません。まず、市場規模、10~15年後の成長予測、そのテーマに該当する銘柄が存在するか、などを検証します。その後、実際に投資対象になり得る銘柄群で、半年~1年ほどバーチャル運用します。このバーチャル運用でいい成績が出れば、正式な投資テーマとして採用します。

 現在ある8つのテーマにも、それぞれ専門のテーマスペシャリストがいて、各テーマにおいて30~50銘柄でバーチャル運用を行っています。その中から、有望な銘柄が、実際の投資信託に組み入れられます。テーマごとに専門家がいることで、大手有名企業だけでなく、特定の分野で高い技術力やシェアを持つ中堅企業も投資対象として見つけることができるのです。

――過去には廃止されたテーマもあるのでしょうか?

斎藤 はい、昨年までは「インフラ/エネルギー」というテーマがありましたが、インフラ部分は、「IoT/生産回帰」のテーマに吸収されました。エネルギーは、かつて、シェール革命によって米国が主要な産油国になるという期待がありました。しかし、現在はその動きも落ち着き、世界的な環境意識の高まりもあって、化石燃料は長期的な成長テーマではなくなりつつあります。実際、このテーマの運用成績も低迷していたため、より成長が期待できるテーマへの入れ替えが必要だと判断しました。

――ある時点で有望だったテーマが時代とともになくなることもある。まさに柔軟な運用戦略ですね。

斎藤 そうですね。各テーマ固有のリスクや、そのテーマにとって有利な状況であるかなどを常に考慮しながら、投資比率を調整しています。こうした柔軟な運用で、安定した成績が維持できていると考えています。


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<ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2025>
[2025年]受賞投資信託30本一覧

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