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テーマパークにとって、夏休みや大型連休の混雑は悩みの種だ。新アトラクションを投入すれば来園者は増える。しかし、人が増えすぎれば満足度は下がる。そこで東京ディズニーリゾートやUSJが選んだのは、「閑散期を盛り上げる」という逆転の戦略だった。低稼働率を“弱点”ではなく“武器”に変えた企業の発想とは何か。※本稿は、経営学者の山田英夫『トレード・オン思考 トレード・オフを乗り越える「第3の道」』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。
「6月オープン」がTDRの
定番になった理由
テーマパークでは、人気のアトラクションに人が集まるが、あまりに人が集まりすぎると、待ち時間が長くなり、顧客の不満につながってしまう。ここに宿命とも言えるトレード・オフがあった。
東京ディズニーリゾート(以下TDR)は「永遠に完成しない場所」として、常にアトラクションのリニューアルや増設を続けてきた。実はTDR来園者の9割以上がリピーターであり、リピーターにとって新しいアトラクションの開設は、再訪の大きな動機づけになっていた。
しかし冒頭に述べたように、新しいアトラクションを開設すると、それをいち早く体験したい来園客によって、一層の混雑が予想される。このように、顧客とTDRとの間には、トレード・オフがあったのである。
TDRはこうした問題に対して、「新アトラクションは、閑散期にオープンする」という戦略で、トレード・オフを解消しようとしてきた。例えば、2024年に新たに開設したファンタジースプリングス(アナと雪の女王、塔の上のラプンツェル、ピーター・パンのアトラクションを含む)は、ゴールデン・ウィーク需要が一段落した6月6日にオープンした。







