金融機関や自治体からの書類、郵便物、クーポン、子どもが持ち帰るプリント類……。忙しく暮らしていると、気が付けば「紙」が、たまっていませんか?「紙」はとりあえず取っておくと、「肝心な時に出てこない」「いつの間にか期限が切れていた」「大事な書類を失くして、お金や信頼を失くす」などの悲劇が起こります。実は、人生により大きな影響を与えるのは「モノ」よりも「紙」の片づけなのです。「紙」に特化した片づけ方法を紹介し話題を呼んでいる、片づけアドバイザー・石阪京子先生の著書「人生が変わる 紙片づけ!」から、「紙片づけ」の極意を抜粋して、ご紹介します。

【GWは紙片づけでスッキリ!】「自分なんて…」と責めていた主婦が、家族と未来を変えたたった1つの行動Photo: Adobe Stock

自信のなさはどこからくるのか?

 ある40代後半の片づけレッスン生Hさんは、自分が片づけも家事もできないことをいつもうしろめたく思っておられました。

 ご自身は、3人のお子さんを育てながらパートで仕事をして家事をして、毎日クタクタ。

 けれど、旦那様よりも給料が少ないこともあり、養ってもらっているという意識が強くて、「夫には、自分の意見が言いづらい」とおっしゃっていました。

 トークイベントへの参加すら、旦那様に許可をもらって来たとのことでした。

「専業主婦でもパートでも、家の仕事をしているわけですから自信をお持ちになったらよいのでは?」とお伝えしたのですが、「よその家はちゃんと片づいていて、掃除も行き届き、おいしい料理も出てくるのにお前はダメだ!」と旦那様に言われ続けて、「なにもかも自信がないんです。私って本当に面倒くさがりだしダメなんです……」とご自分を責めていらっしゃるようでした。

 そんなHさんが、思い切ってLINEの片づけレッスンに申し込まれて家を片づけきると決心されました。「自信はないですが、なんだかうまくいかない状況を変えたい」と決意されたのです。

モノもお金も把握できると自信がつく

 彼女は、とことんやりました。モノの片づけが終わったあとは、紙一枚一枚と向き合い、わからない紙が出てきても、自分で調べて一つ一つ処理していきました。

 長年開封されていなかった旦那様あてに来ていた金融機関からの封筒もたくさん見つかりました。

 旦那様に「金融機関からの封筒は、開封して確認しますよ」と伝えたところ、「なんの書類かよくわからないから調べて」と言われたとのこと。お金のことは何でも把握していると思っていた旦那様にそう言われて、Hさんはすごくびっくりしたそうです。

 Hさんは書類講座もお金講座も受講されて、財産関係の書類を自力で整理して、ファイナンシャルプランナーの先生に、ご夫婦で相談に行かれました。

 その結果、住宅ローンの借り換えをしたほうが良いことなどもわかり、財産全てをみていただいて改善点をいろいろ教えてもらったそう。

 そして「老後は、もうこれで安心ですよ!」と言ってもらえるほどになったのです。これが彼女にとって大きな自信になりました。

旦那様や子ども達が家事を手伝ってくれるように

 実は、旦那様もぼんやり老後のお金の心配をしていたそうです。

 それが奥様の頑張りによって、すっきりと解決し、すごく安心されたよう。

 そして、旦那様は子どもたちに、「お母さんすごいなあ! あんなに散らかってたのに、今はどこの親戚の家よりも家が綺麗やで!」と言ってくれるようになったそうです。

 さらには、今まで家事を一切したことがなかったのに、旦那様がキッチンに立って洗い物をしてくれるようになったり、子どもたちも使いやすくなったキッチンで、夕飯を作ってくれるようになったり……。

パートから帰ったら夕飯ができててびっくりです!」と嬉しそうなLINEメッセージが私のもとに届きました。

何歳になっても人は変われる!

 彼女がこんなに変われたのは、「自分で考えて、行動に移し、理想の暮らしを手に入れたから。行動すれば状況は変えられるという自信が持てたからでしょう。

「何歳になっても人は変われますね! 片づけたおかげで何よりも自分に自信がつきました! 実は英語の勉強がしたかったので楽しみながらやってみたいと思います!」と彼女はおっしゃっていました。

*本記事は、石阪京子著「人生が変わる 紙片づけ!」の中から、抜粋・編集したものです。