一度やってしまえば、驚くほどラクになる超簡単!家の中の紙のデータ化

片づけの中でも最難関の「紙の片づけ」。「今すぐ必要な紙が肝心なときに見つからない!」「支払いや振り込みの期限が過ぎて大失敗した!」「大事な紙をなくして信頼を失った!」など紙や書類の整理ができないために起こる悲劇も数え上げればキリがない。しかし、どうすれば紙が片づくのかわからない。そんな永遠の悩みをズバリ解決する唯一の本が石阪京子さんの『人生が変わる紙片づけ!』だ。本書には、必要な紙が5秒で取り出せる紙片づけ術の豊富なメソッドと、紙一枚で大惨事を招いた人たちのエピソードがたくさん出てくる。他人事ではないと思う人もきっと多いはずだ。そこで、本の発売を記念して石阪さんにインタビューした内容を4回に分けてお届けする。第3回目は、不要な紙を9割減らせるデータ化のコツついて聞いた。(取材・構成/樺山美夏)

大事な予定表はスマホで撮って、クラウド保存して持ち歩く

―― 『紙片づけ』を読んで「そろそろ本気でやらないと……」と思ったのは、必要な紙のデータ化です。紙とデータの使い分けがうまくできずにいたので、思い切ってデータ化する上ですごく参考になりました。

石阪京子(以下、石阪)に話したように紙の仕分けをして捨てるべきものを捨てたら、あとはデータ化するものとファイリングするものに分けます。私が片づけレッスンでホームファイリングを教えはじめたのは10年ほど前で、まだ紙が主流の時代だったんですね。でも私はその頃から、スマホにスキャンアプリを入れていました。

当時まだ高校生だった娘が体調を崩して入院することになったときも、学校の年間行事表をスキャンして画像保存していたスマホを持ち歩いていました。だから、手術日を相談するときも、お医者さんの目の前で娘の予定を確認できたので、すぐに決められました。そのお医者さんはびっくりして、「僕もその便利なアプリ使おう」とおっしゃってましたね。

―― 10年前にスキャンアプリを使いこなしていたというのはすごいですね。メモアプリのEvernoteもずいぶん前から使われていたんでしょうか?

石阪:Evernoteは初期から使っています。というのも私、字を書くのもめんどくさいと思うほど、めんどくさがりなんですよ。あと記憶力もないので、全部データ化してすぐ検索できるようにしておかないと、片づけレッスンに行ったお宅の数が多すぎて、どこがどういう状況かわからなくなってしまうので。

まだ手帳を使っていたとき、手帳を忘れて出かけてわざわざ時間かけて取りに戻ったこともありました。手帳って怖いんですよね。だから私は完全にデータ化してクラウドで二重管理しています。

―― データ化すると紙の9割は減らせると本にあって驚きました。でも近い将来、世の中全体が必然的にそうなっていくでしょうね。

石阪:20年前はスマホがなかったけれど、今は高齢者でもスマホを使ってますからね。それと同じで紙のデータ化も、20年後は当たり前になるはずです。子どもたちがすでに学校でタブレットを使って勉強するようになってますから、その子たちが社会に出る頃はほとんどデータの世界になっているでしょう。

だから今は過渡期。自分だけついていけないって言ってる場合じゃなくなります。「いつやるの? 今でしょ!」っていうくらい、早くデータ化に慣れておかないと後々すごく困ると思います。

もちろん、紙じゃないと意味がない「金目の紙」と「使う目的がある紙」は紙で残す必要があります。手書き文字に意味があるような思い出の手紙や葉書もとっておいてもいいでしょう。でもその他のほとんどすべてはデータ化できるし、データ化したほうがむしろ安心して保存できますよ。

―― 本で詳しく紹介している、GoogleKeepやEvernoteの比較や使い分けもすごく分かりやすかったです。片づけレッスンの生徒さんたちも、どんどん慣れていくそうですね。

石阪:GoogleKeepもEvernoteも全然使ったことがない人がほとんどだから、最初はちょっとハードルが高く感じるかもしれませんが、やり方をお教えするとと、みなさん「便利で簡単!!」とおっしゃいますよ。たとえば、美味しいお店やお気に入りの場所を見つけたとき、写真を撮るだけだとあとから探すの大変でしょう? お店の名前も忘れるじゃないですか。でも撮った写真をEvernoteに入れて、誰と行ったか書いておけば、お店の名前を忘れてもすぐ検索できますよね。

以前、着物の着付けをされている人が、着物の在庫管理をどうすればいいか悩まれていたので「Evernoteを使ってみたら?」とお勧めしたら、着物と帯の写真を全部そこに入れて、すぐに検索できるように整理されていました。私も最近、サウナにハマってるので、Evernoteにサウナ情報のノートを作ってどんどんメモや写真を入れています。それがあればいつでも検索できるので便利ですね。お仕事で使ってる方は多いかもしれませんが、家の中のことや趣味などにもとて役立ちます。