ドナルド・トランプ米大統領は中国との貿易戦争で強硬姿勢を取ろうとしているが、習近平国家主席は米国との争いにおいて長期的で痛みを伴う可能性のある戦いに向け準備してきた。トランプ氏が極めて高い対中関税を課してからの数週間、中国政府は抵抗する姿勢を示してきた。中国外務省の報道官はX(旧ツイッター)に、1953年に毛沢東が朝鮮戦争で米主導の連合軍と最後まで戦うと約束した映像を投稿した。「われわれは中国人だ」「引き下がらない」と書き込んだ。この投稿や中国政府が発する他のメッセージは、中国が米国に対する中核的な優位性の一つと見なしているものを浮き彫りにしている。すなわち、トランプ氏と同氏を支持する共和党関係者が米有権者の気まぐれに左右されやすいのに対し、毛沢東が築いた中国共産党は深く根を下ろしており、戦争、飢饉(ききん)、政治的混乱、金融危機にもかかわらず、70年以上にわたって権力を維持してきたという点だ。