小さな会社や個人商店が今すぐ売上をあげようと思った時、どの販促ツールから作ればいいのか?『「A4」1枚チラシで今すぐ売上をあげるすごい方法 「マンダラ広告作成法」で売れるコピー・広告が1時間でつくれる!』(ダイヤモンド社刊)では、販促コンサルタントの岡本達彦氏が、今すぐ売上をあげるために必要な「A4」1枚チラシを誰でもつくれる「マンダラ広告作成法」という新しい販促手法を紹介。小さな会社が、今すぐ売上をあげられるすごい方法がわかると好評です。前回の連載に続いて、さらに全10回にわたり書き下ろしの記事を公開します。

読まれない広告の大半は、
親切すぎるがゆえにスルーされる
販促コンサルタントの岡本達彦です。
「ウチのチラシ、まったく反応がないんです」
「しっかり作り込んだのに、誰も読んでくれない」
そんな相談を受けて実際にその広告を見せてもらうと、ある共通の病が見えてきます。それが「とにかく全部伝えたい」病です。
商品の魅力、社長の想い、会社の歴史、料金一覧、店舗アクセス、利用方法、保証内容、FAQ……。
「読んでもらえたら、きっと良さが伝わるはず」
そう思って、ありったけの情報を詰め込んでしまう。
でも、残念ながら、読み手はそこまで親切ではありません。
今の時代、人々はスマホの1秒スクロールで情報を判断する時代です。だからこそ、情報を「すべて載せる」のではなく、「選び抜く」力が問われています。
「読む人の集中力」は3秒が限界
カナダの研究チームが2015年に発表した研究報告によれば、現代人の集中力は8秒しか続かないということです。
広告においては、冒頭の3秒で読む・読まないが決まるとも。
つまり、情報を多く載せるほど、本当に伝えたいことが埋もれてしまうのです。
情報が多いほど不信感が増す
という逆説
実は、情報量が多い広告ほど「信用されにくい」というケースがあります。
なぜか?
「情報が多すぎて何が大事かわからない」
「かえって怪しい…」
「読み切る気力が湧かない」
これは、情報が多い=親切ではなく、混乱や不安を招くという証拠です。
広告に載せるべきは
「すべて」ではなく「たった一つの行動」
広告とは、「情報を届けるもの」ではなく、「行動を起こしてもらうためのもの」です。そのために必要なのは、次の問いに答えることです。
「この広告を見た人に、まず何をしてほしいのか?」
たとえば、
・体験予約をしてほしい
・LINE登録してほしい
・チラシを持ってお店に来てほしい
そのたった一つの行動を起こしてもらうために、情報を整理し、不要な要素は思い切って削る勇気が必要なのです。
情報整理のための「3つの整理フィルター」
ここでは、反応が取れる広告にするための情報選別術を紹介します。
フィルター①:「それ、本当に初対面で必要?」
→ 初めて会う人に、いきなり履歴書を全部見せたりしません。広告も同じで、最初は相手が知りたい一部だけで十分です。
フィルター②:「行動に直結する情報か?」
→ 読んだ後に動きたくなる情報に絞る。スペックや理念より、「今すぐ使いたくなる理由」を優先。
フィルター③:「見た目で伝わるか?」
→ 長文説明より、図や写真、数字などの視覚情報が効果的な場面も。
「読ませる広告」より
「見てわかる広告」を目指す
読み手の多くは、流し読みで判断しています。
だからこそ、
・見出しで要点を掴ませる
・図やアイコンで直感的に理解できるようにする
・余白を使って、視線の導線をコントロールする
という見せ方の設計も重要です。
「読む」前提ではなく、「パッと見て伝わる」広告を作ることで、初めてその先の行動へとつながっていきます。
「もっと伝えたい」をぐっとこらえる
それがプロの広告設計
商品に自信がある人ほど、つい熱く語りすぎてしまいます。
でも広告は、全部伝えるより、一番大事なことを残す方が、読まれます。刺さります。動かせます。
広告とは、「伝えたい情報を捨てる勇気」と「残す覚悟」の勝負なのです。
株式会社アカウント・プラニング代表取締役
販促コンサルタント
広告制作会社時代に100億円を超える販促展開を見て培った成功体験をベースに、難しいマーケティングや心理学を勉強しなくてもアンケートから売れる広告を作る広告作成手法を日本で初めて体系化する。業界を問わず、お金をかけないで簡単にでき、即効性もあることから、全国の公的機関、経済団体、フランチャイズ本部からセミナー依頼が急増し、社内に仕組みとして取り入れたいという会社からのコンサルティング依頼は後を絶たない。著書にアマゾン上陸15年「売れたビジネス書50冊」にランクインし、販促書籍のベストセラーとなった『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法 チラシ・DM・ホームページがスゴ腕営業マンに変わる!』(ダイヤモンド社)などがある。